第67話 情報交換の前
イケシルバーと情報を交換するために近くのショップの中に移動する。
前に情報交換した際に利用したカフェのような店に似ているショップだ。ただ、前のショップとは雰囲気が少し違う。と言うか、初めて来たはずのショップなんだが、どこか見覚えがあるような?
とりあえず、話をする前に注文をしていくんだが、やはり、と言うか確実に見覚えのある商品名だな。現実の物とそっくりそのままと言うことは無いが、商品名の付け方があの有名チェーン店にそっくりだ。
商品を注文しながらイケシルバーの顔を見る。しかし、驚いた様子はないし、これが当たり前と言った表情をしていた。
「うん? どうしたのかの?」
「いや、ここの商品って……」
「うぬ? 何か変な物でもあったかの?」
「いや、これってあのチェーン店のやつだろ」
「そうですぞ? おや、ミヨさんはこの事を知らなかったのですかな?」
知らなかった、という事は割と周知なことなのか? いや、こんな話は一切聞いたことは無い……と言うか、他のプレイヤーとの交流がないから、何かあったとしても掲示板からしか情報を仕入れていないんだよな。
そう言えば大会の時にあったアプデの情報も碌に調べていないな。もしかしてそれに関係しているのか?
「アップデートの情報で、このショップがチェーン店監修の商品になるという物があったんじゃが、その様子からして知らなかったようですな」
「ああ」
マジか。一回アプデの情報を調べておいた方が良いな。このままだと情報を見逃したせいで損することになるかもしれない。さすがにそれは拙い。
注文した商品を受け取り、空いていたテラス席に移動する。
今回の情報交換にはイケシルバー側と言うかウロボロスからはイケシルバーの他にもう一人来る予定になっている。まだ、ここには来ていないが、現在こちらに向かって来ているようなので、そうかからない内にここへ到着するだろう。
うーん。やっぱ飲んだことがあるような味だな。ゲームの中だからとちょっと変なネーミングの商品もあったんだが、さすがに冒険する気にはなれなかったので普通のカフェラテを注文したんだが、あの店の味、とまでは行かないまでもかなり近い味になっているな。
「それで、話はもう一人が来てからでいいのか?」
「そうですなぁ。ミヨさんの時間を無駄に取る訳にもいかぬ故、良ければ新しく手に入れた情報を聞いても良いですかな? 気になる部分があれば、後から来るメンバーに確認を取ってから詳しく聞く、という形になるのじゃが」
「まあ、俺は構わないけど、それでいいのか?」
「問題ないですぞ。元より後から来るメンバーはテイマーでの、その関係でテイマー関連の情報を扱っているんじゃよ」
「そうか」
いや、俺もテイマーだから出す情報の大半はそれに関係する情報なんだが、これ二度手間とかにならないか?
まあいいか、と思いイケシルバーにまだ話していないことについて話すことにした。
「ふむ、スモールスパイダー系についてはこちらにも情報はありますな。ただ、デススパイダーの情報はあまりないので買い取らせていただきますぞい」
前に情報交換をした後にテイムした朱鞠の事を話した。まあ、朱鞠はシュラやぷらてあとは違ってレア個体ではないからこんな物だろうな。
「それは良かった」
「それと、スライムガールにアルラウネのぅ。全く知らない情報だの。まあ、その進化前のモンスター自体、ミヨさん経由でしか確認が取れていないのじゃから、当然と言えば当然なのじゃが」
まあ、そうだよな。前の段階でレアスライムはテイム出来たとは言っていたが、その後何故か進化できない、なんて話を聞いたし、プレンテのレア個体に関しては見つかってすらいないらしいから。
「現着ッです! 遅れてすいません」
テイムモンスについての話がちょうど終わったタイミングで、そう声を上げながら、かなりゴツイ装備を身に着けているプレイヤーが目の前に滑り込んで来た。
また変わったやつが来たな。今さっきイケシルバーがテイマーって聞いていたんだが、何でこいつは重装備なんだ?
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