第63話 ギルドポイントを稼ぐ
第3エリアのギルドで受けた依頼を熟していく。
アイテム納品系依頼、指定されたモンスターの討伐依頼、手伝い系の依頼、受けた物を次々と熟す。
アイテム納品系で委託掲示板から購入可能な物はギルドを出る前に完了させた。ただ、中には依頼を受けないと採取できない特殊系のアイテムも存在するため、地味に手間がかかるものもある。
まあ、そういう物は大抵獲得できるポイントが高いんだけどな。
討伐系の依頼は採取の合間を使って熟すため、そこまで手間がかかるという感じはない。そもそもシュラたちの強さが第3エリアで出て来るモンスターに比べて圧倒的に上のため、苦戦するという事はまずない。俺もシュラたちのレベル上げをしているおかげで、トッププレイヤーには劣るものの、普通のプレイヤーに比べればレベルは高い方だから楽にモンスターは倒せるし。
一番手間がかかり面倒なのは手伝い系の依頼だ。まあ、その分得られるギルドポイントが高いため、受けないという選択はしない。
この依頼に関してはギルドを出てフィールドに向かう前に、出来るものは全て完了させ、一部のフィールドからアイテムを持ってくる依頼は採取依頼と同時に、モンスターから得られる素材の物も並行して熟す。
そして、2時間程かけて受けた依頼は全て完了させた。
さて、次は第2エリアに向かう。そこそこ攻略が進んでいるというのにエリア間の転移機能が実装されていないため、エリア間の移動は面倒なものだ。
ただ、俺の場合はダンジョンの最奥の空間が自室扱いになっているため、そこへの転移は可能になっているのだ。だから第2エリアへの転移はそれほど時間が掛からない。正直、これに関しては嬉しい誤算である。
まあ、掛からないと言っても第3エリアにある町からだと30分程度の短縮なのだけどさ。それに第2エリアから第3エリアへの移動は従来通りだし。
とりあえず、第3エリアでの用事が終わったから、一旦ダンジョンの自室に戻って、さっき購入した家具を設置してから、第2エリアの街へ行くことにしよう。
ウィンドウを操作して、自室へ移動するを選択。転移でダンジョンの自室に戻ってすぐ、インベントリから家具を出し設置していく。
「うぬ? 何じゃ。もう戻って来たのか」
「ああ。まあ、移動の時間を少し減らすために一旦戻ってきただけだ。それに、ここに設置する家具を買ってきたからついでにやっておこうと思ってな」
「そうか」
「ああ、そうだ。アンゴーラ用のベッドも買ってみたんだけど、使うか?」
「は?」
「これなんだけど」
アンゴーラの前に種類はわからないが植物の蔓のような物で出来ているドーム型のベッドを置いた。
「ぬぅ……」
アンゴーラは小さく唸りながら目の前に置かれたドーム型ベッドの周りを一周し、一度中に入った後、何度か出たり入ったりを繰り返し、最後には中に入ったまま、出て来なくなった。
「アンゴーラ?」
なかなか出て来ないので声を掛けてみたのだが、反応がない。とりあえず気に入ったという事なのか? と言うか、さっきの反応ってウサギというよりも猫の反応な気がするんだが。俺はウサギを飼ったことは無いから正確にはわからないけどさ。
うーん、どうしたものか。いや、別にダンジョンの外へ出るための転移陣はもう設置してあるし、アンゴーラはこのままでも問題はないよな。
出て来なくなったアンゴーラの事は仕方がないので、俺はアイテムを整理した後、転移陣を使ってダンジョンを出た。
ダンジョンを出て、第2エリアの街に着いてからすぐにギルドへ駆け込み、依頼を出来るだけ受注していく。
残念なことに第2エリアで受けられる全ての依頼を受けたとしても、ギルドランクがDに上がらないことが確定してしまった。
第1エリアのギルドで依頼を受ければ行けるか? と一瞬だけ考えたが、第1エリアで受けられる依頼は、駆け出しプレイヤー限定の依頼しかないことを思い出し、断念した。
そして、1時間半ほど掛けて受けた依頼をすべて消化した。
第2エリアでの目的はこの段階で達成したため、そこから第3エリアに戻る。
町に戻った時には、ログインできる残り時間が1時間を切っていたため、遠出は難しいと判断して、町の近くのフィールドでモンスターを倒し、軽くレベル上げをしてからログアウトした。
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