第47話 シュラ、進化


 ぷらてあと朱鞠のレベル上げのために新緑のダンジョンに挑み、10周ほど周回して素材を集めた。

 シュラ用の素材を落とすダンジョンは第2エリアにないため、取引掲示板からスライムジェルとゴブリンの角を買い漁る。大半のプレイヤーは第1エリアから移動してしまっているので、今までより数は売っていなかったがそれでも多くの数を買うことが出来た。

 ついでに他の2匹の素材も購入。


 それと、今回の購入でFsが大分減ってしまったので、OCをFsに換金する。うーん、とりあえず10000OCくらいでいいか。


 手持ちのFsも回復したので、まずはぷらてあと朱鞠のレベルを上げる。


 ダンジョンで手に入れた素材と先ほど買った素材を育成スキルで経験値に変換する。

 使った素材の数は1000を超えていたにも関わらず上がったレベルはぷらてあが2、朱鞠が3だけだった。まあ、シュラの時もこれくらいしか上がらなかったから妥当な範囲なのか。いや、素材としては1ランク上のはずだから同じなのはおかしいのではないか? ああ、でも、ぷらてあも朱鞠も第2エリアで出るモンスターだからその分必要経験値が多いのかもしれない。


 ダンジョンに潜っている間に上がった分も含めて、これでぷらてあが43レベル、朱鞠が42レベルになった。

 ぷらてあに比べて少しだけ朱鞠のレベルが上がりやすい気がするが、レア個体ではない分レベルが上がりやすいのかもしれない。


 さて、後はシュラのレベル上げ…なんだが、ダンジョンでもレベルが上がらなかったから、もしかしたら育成スキルでもレベルが上がらないかもしれない。


『スキル:育成 を使用します。

 スライムジェル×864、ゴブリンの角×1254が選択されました。

 ・・・

 テイムモンスター:シュラのレベルが46に上がりました。レベルが一定値を超えたため、上位種への進化が可能です。

 現在進化可能な種族は、スライムガール、のみとなります』


 おっとぉ? 予想外にもレベルが2も上がったんだが。もうちょっとでレベルが上がるところだったのか? しかも進化可能になるとは。


 しかし、進化先が1種類。しかも種族名がスライムガールとは。これは明らかに今のヒューマスライムよりも人に近付くってことだよな?


 ……これ、普通に進化させていいのか? 今の状態のまま進化するとなると問題になる気がするんだけど。


 今のシュラの姿って簡単に言うと全裸なんだよな。まあ、3頭身だし人型とは言え、凹凸は殆どないから、何か人っぽい形をしたスライムでしかない訳だが。だから何も着けていないでも全裸感はないけど。


 ただ、これで進化するとするだろ? それで種族名にガールって入っているから完全に女の子になる訳だ。

 今の身長が俺の身長の半分よりも少し小さいくらいだから70センチくらいか? それよりも大きくなることは確実だろう。もし一気に100センチを超えて来たらどうなる? 


 おそらく肌はスライムのままだろう。たぶんだけど。

 だが見た目が成長するのは確実。となると、進化後の姿次第では人目に付きやすい場所は拙いかもしれない。今も話しかけてこないだけで、チラチラ見て来る奴らが居るからな。

 一旦、人目に付き辛い場所に移動するか。


「ちょっと移動するぞ」

「? はいなのです」

「わかった」


 朱鞠からの返事はないが、しっかり反応はしているので聞こえてはいたのだろう。



 人目に付き辛い町の路地裏に入った所でシュラのステータスを開き、進化を進める。


 いつも通り進化を選択した後、シュラの体が薄ら光り出し、進化が始まる。そしてその光が徐々に大きくなり、最後に光が収まると進化したシュラの姿が現れた。


「です! 大きくなったのです。ますたーの顔が近いのです!」

「お…おぉぅ。……まじかぁ」


 シュラ。今はぐいぐい来ないでくれ。まだ俺は進化したシュラの姿を受け入れきれていないんだ。

 とりあえず、今日ログインした時のガチャで手に入れたローブをシュラの肩に掛けておく。


「です?」


 シュラは予想通り進化によって成長した。ただし、俺の予想を超えてだけどな。これはさすがに成長しすぎだ。

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る