第7話 職業チュートリアル終了
結局、ウサギの特殊個体は見つからなかった。まあ、元から居るかどうかも分からなかった奴だから仕方が無いだろう。
そういう訳でレアスライムをテイムすることにしよう。手順は、攻撃して弱らせてテイムする。……攻撃するのか。10分程度だが抱えていたせいで若干愛着が湧いているんだよなぁ。ひんやりして触り心地が良いし。こいつに攻撃するのは気が引けると言うか、攻撃する前に1回テイムを使ってみるか。
抱えたままテイムして失敗したら攻撃される可能性があるから、レアスライムを地面に下ろしてからテイムを使う。
「テイム」
テイムスキルが発動すると同時にレアスライムに向かって淡い光が降り注ぐ。そして光が収まったのだが、何の変化もない。これは…失敗か?
『テイムが成功しました。テイムしたモンスターに名前を付けてください』
ピコン、という音と同時にこのアナウンスが目の前に現れた。
あ、成功したのか。と言うか、アナウンスが出るのが1テンポ遅いだろ。もう少し早く出してくれよ。失敗したかと思ったじゃないか。
するとテイムが成功したからか、レアスライムが俺の脚にすり寄ってきた。それに気づいた俺はレアスライムを拾い上げて抱きかかえる。
まあ、アナウンスに関してはいいか。それよりも名前を付けなければならないと。俺ってあんまりネーミングセンス無いんだよなぁ。どうするかね。
レアスライム…レアスラ、レスラ。そう言えばこいつに性別はあるのか? いや、スライムに性別は無いか。スライム…スラ…シュラ?
うーむ、他に名前も浮かばないし、シュラでいいか。テイムモンスターの名前欄にシュラと入れて決定ボタンを押す。
『チュートリアル:テイムを使用する、が完了しました。次はスキル:育成について説明します。
テイムしたモンスターは戦わせることでも成長させることは出来ますが、スキル:育成を使用する事でも成長させることが出来ます』
戦わせないでテイムモンスを強くすることが出来ると。何か腑に落ちない部分はあるが楽が出来る分には良いのかもしれない。
『スキル:育成を使用するには、モンスターから得られる素材が必要となります。スキル:育成を使用し、モンスターから得られる素材を選択することでその素材を経験値に変換し、テイムしたモンスターに与えることが出来ます』
ああ、なるほど。どの道戦わないといけない奴か。戦って勝って素材を手に入れてそれを経験値にして、って感じで、普通に戦うだけよりも成長出来るのね。
しかし、素材を経験値に出来るってことは取引掲示板とかで買った素材でも可能ってことだろ? ああ、でも育成スキルだけで成長させたテイムモンスより、戦わせて成長させた方が強くなるような感じだろうな。
『では、スキル:育成を使用してみましょう。今回、スキル:育成で使用する素材はこちらで提供いたします』
ピコンという音が鳴ると同時に、ウィンドウが目の前に表示されている。そこにはスライムジェルを手に入れました、というアナウンスが表示され、その下にはスライムジェルと思わしき画像が表示されている。説明文は簡潔に、スライムから取れるジェル。とだけ書かれている。
これってやっぱり鑑定も取得した方が良いやつだな? 素材をただ経験値に変えるだけならいいが、確実にマスクデータとかあるやつだろ。鑑定でどこまで情報が見られるかはわからんが、傾向くらいは分かるだろ。
まあ、鑑定は次にスキルが取得可能になった時に取ればいい。今は育成スキルだ。さっさとチュートリアルを終わらせることにしよう。
育成スキルを発動させる。すると目の前にウィンドウが表示され、使用する素材を選択するように指示がでて、使用可能素材欄には先ほど貰ったスライムジェルだけが表示されていた。
それを選択して、スライムジェルを経験値に変換する。どのテイムモンスターに経験値を与えますかと、出たのでシュラを選択する。
うーむ、レアスライムだからなのかLVは上がらなかったな。しかし、変換した経験値の量は表示されないのか。
『スキル:育成は、色々なモンスターから得られる素材を使うことが出来ます。色々な素材を使ってテイムしたモンスターを育ててみてください』
いやこれはもう、使う素材によってモンスターの成長が変わるって言っているようなものだよな。やっぱり鑑定も必要だな。
『これで職業チュートリアルが終了になります。最後に注意点として、テイムで仲間にしたモンスターはプレイヤーとは異なり復活はしませんのでご注意ください』
ああ、テイマー不人気の主原因な。知っているから驚くことは無いが、ここで初めて知ったやつは相当驚くだろ。もう少し早く説明するべきじゃないか? それもチュートリアルの時じゃなくて、最初に職業を選択する時にあるべきだと思うのだが。まあ、苦情があれば変更されるか。
『それではこれよりギルドに転送します。ギルドに着きましたら受付に立ち寄り、ギルドチュートリアルを進めてください』
そうして俺の体は平原からギルドへと転送された。
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