第11話
「雑居ビルの屋上から投身自殺を図った女性がいるという通報あり。至急、現場に急行してください。」
田中と新田が現場に駆けつけると、すでに救急車が到着していた。
身元を確認するため、来ていた衣類のポケットなどを探ると財布が見つかった。中に入っている免許証を確認した二人は、見覚えのある名前だったため、お互いに顔を見合わせた。
「田中先輩、この女性って確か。」
「あぁ、先日全裸で公園で寝ているところを保護した女性だよ。」
「なんで自殺なんて。」
「おそらく、これが原因じゃないかな?」
田中はスマホを新田に見せた。
「なんですか、このサイト。」
「この前から続いている全裸事件をまとめたサイトなんだが、どこから漏れたのか個人情報も載っている悪質なサイトだ。」
「こんな写真が出回ってるって知ったら、確かに自殺してもおかしくないですね。」
「一言警察に相談さえしてくれていれば、俺たちにも何かできることがあったかもしれないのに。」
「でも、自業自得っていう側面もあるし、相談内容が相談内容なだけに相談しづらかったんじゃないですかね?」
田中は無言で悔しさを噛み締めている様子だった。
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