第九一話

鬼月家下人衆助職、宮水静は身体を強張らせ続けていた。ひたすらに、無言で、緊張に身を竦ませていた。しかしてその精神は平静を保ち、冷静を保ち、動揺を悟られぬように姿勢を正す。あらゆる事態を想定して、警戒して、身構える。


 それだけ、眼前の存在は一切油断出来ぬ存在であったから。


「………ふむ。中々良い茶であるな。やはり茶葉の本場は大陸産だな、物が違う」


 静の視線の先で座布団を敷いた和座椅子に腰掛ける窶れた男が……鬼月幽牲為時が悠然とそんな事を宣う。そのまま彼は手元の湯呑みを暫し見つめると、一口呷ってからそれを膝元の茶托へと戻す。


 その一挙一動に静は全神経を以て警戒する。警戒せざるを得ない。それは決して過剰な行為ではなく、寧ろこの鬼月の当主の所業と異能、彼女の主君の立場を考えれば当然とも言える帰結であった。


「全くもって同意します。いやはや、橘の商会は中々良い商売をするものです」


 そして当の静が仕える主君はと言えば、敵地でありながら堂々と幽牲と相対して茶を味わう。物腰柔らかに、穏やかに、口元に微笑を湛えて……しかしてその表情は少し観察すれば能面のように軽薄である事が分かろう。


 下人衆頭たる鬼月思水が一族当主である幽牲の招きに応じてこの当主の私室に参じたのは凡そ半刻前の事、以来大陸茶と茶請け菓子に舌鼓を打ち、中庭を観賞して、静寂の中で二人は断続的に、脈略もなく、大して盛り上がる事もない短い会話を交え合い続ける。静と今一人の参列者はそんな二人の傍らに各々恭しく控え続ける………。


「余所見は行けませんね、宮水さん。お暇になりましたか?」

「っ………!?」


 僅かの瞬間、緊張と沈黙の中で思わずこれ迄の経緯を振り返っていた静は、その甘ったるい間延びした言葉に一気に現実に引き戻される。そして息を呑み打ち震える。それは実質的に先方の胸三寸で己が死んでいた事を宣告されたに等しいのだから。


「ふふふ。旦那様、お茶のお代わりを注ぎますわ」

「……うむ、頼む」


 夫である幽牲の頷きに応じて、彼の傍らにずっと侍る腰元に牛蒡を携えたその女は……鬼月家当主夫人たる鬼月菫は賑やかに手元の急須から湯呑みに茶を注ぐ。随分と冷めてしまった、しかしまだ生温い茶に満たされた湯呑みから仄かに湯気が立ち上る。


「思水殿もお代わりは如何でしょうか?」

「………では、御厚意に甘えて」


 ニコニコと微笑む菫の問いかけに、思水もまた賑やかに答える。しかしそれ以上に会話は続かず、茶を注ぎ込む間二人にそれ以上の会話は存在しなかった。


(何なんですか、これは………!!)


 珍妙で、それでいて重苦しいこの空間に居続ける事にそろそろ静は痺れを切らしそうになる。この何の意味があるのかも分からぬ時間が彼女の精神をただただ圧迫し続ける。


 不倶戴天……と公然とは言えぬが、眼前の当主と己が忠誠を捧げる主君には浅からぬ因縁というものがあるのを静は理解していた。嘗てはその一方たる主君の立場が脆弱であった故に、以降は今一方である当主が廃人と化していた故にその関係が露呈する事もなかったのだが………。

 

「どうかね?雛と葵の二人は?私も永らく失心していたからな。二人の成長も良く分からぬのだ。お前が見て、二人は良くやっているかな?」


 静寂の中で庭先の溜め池を、その中で泳ぐ色鮮やかな鯉の群れを茫然として見つめていた当主は、ふとそんな事を口走る。その言葉に思わず静は身構える。その意味を深読みする。警戒する。そして、何よりも苛立つ。


「姫君方は健やかにお育ちになられました。双方共に退魔の才も、その実績も文句の付けようがありません。今となっては誰も二人を軽く見る事はありませんよ」


 そんな静の反応を知ってか知らずか、背筋を伸ばして湯呑みを口にしていた思水は、そう申し述べた。事実の羅列であり、手放しの称賛であった。


 鬼月雛に鬼月葵、共に強大な霊力を受け継ぎ、その才覚異能もまた破格な二人の姫君は共にその若さにして鬼月家内でも最上位に食い込む手練れであり、認められたその功績もまたきらびやかな名誉に彩られている。


 甲乙付けがたし、どちらも欠点があるもののそれ以上に多くの美点を兼ね備える故に、未だに次期当主としての器にどちらが相応しいのか断言出来る者は誰もいなかった。鬼月家の次期当主を巡る争いが長らく続く理由であるが、他家からすればある意味で贅沢な悩みでもあっただろう。


 ………尤も、その事実が静にとってはこの上なく不愉快でもあったが。


「そうか。それは心強い事だな。………しかし二人共まだ青いのも事実だ。下人衆頭には先達として二人を支えてくれると助かる。残念ながら私はこのように未だ万全ではない。執務するのも一苦労でな」


 萎れたような痩せ細った腕を見せて、微笑を浮かべる幽牲。その発言の文面だけ見れば当たり障りもない至極当然の内容ではあるが、しかし思水の傍らに控える静にとっては嫌がらせのように聞こえたのも已む無しであった。婉曲と修飾表現に富んだ扶桑の国の言葉で、北土のものであれば尚更である。


「っ………!」


 静は思わず奥歯を噛み締める。内心で怒りに震える。


 あのような身勝手な小娘共の尻拭いをして盛り立てよなぞ、それもよりにもよって己の主君に向けて!恥辱で屈辱とも言える当主の発言………よくもまぁこんな恥知らずな事を言えるものだと静は思う。先日の四方における討伐で最も多くの魑魅魍魎を誅したのは己が主君なのだ。翻って上の娘は任の最中に言付けすらなく無断で離脱するような奴ではないか!!


「御苦労御察し致します。どうぞ御養生なさいませ。私も、微力ながら鬼月の末席として務めを果たしましょう」


 静の荒れる内心に比べて、その主君の発言は穏当で穏健そのものだった。その言葉には一切の動揺もなく、滑らかに言葉を紡ぎ出す。当主は思水の言葉に頷く。互いに湯呑みを呷る。幾度目かの静粛が空間を包み込む………。


 次にそれを打ち破ったのは菫であった。より正確に言えば夫の傍らに控える彼女が庭先に向けて僅かに殺気を向けると共にそれを霧散させる。一瞬遅れて残る者達の視線が同時に庭先に向かい、そしてその闖入者が姿を現した。


 烏の造形を模した伝令用の……それも隠密の機密連絡用の式神が思水目掛けて舞い降りる。


「………失敬を」


 伸ばした腕に止まった式の、その足に巻き付けられた手紙を引き抜いた思水は当主に一言断ってからそれを広げる。そして僅かに眉を顰める。


「これは………」

「如何にしたかな、下人衆頭?」


 思水の反応に、幽牲が問い掛ける。無言で思水は手紙を一度二度と読み込み、そしてそれを背後に控える静にも見せる。当主に向けて恭しく一礼した後、彼女もまた見せられた手紙を読み取る。その内容を理解すると同時に小さく驚いた。


「御当主様、任に送り出した者達が少々問題に遭遇したようです。……事が事のようです。急ぎ、対応を考えた方が良いでしょう」


 そして、思水は手元の手紙を当主に差し出しながらそのように宣った………。










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 一晩に亘って稗田郡に吹き荒れていた粉雪が止んだ。それと同時に白く染まった雪山の連なりから覗き出した太陽の目映い光が地表へと射し込んだ。光の反射によってきらきらと地表が輝く。


 そして、そんな峻険な北土の山脈に設けられた小屋の外で、俺は雄大で純白な大地を一望していた。


「………まぁ、そう簡単には見つからねぇか」


 暫しの間、眼前に広がる景色を見下ろし続けていた俺は、嘆息と共に呟いていた。


 たかが郡、されど郡。朝廷からすれば然程開発もされておらず人も少なく、ただだだ無益な大地が広がるだけの辺境である稗田郡であるが、一個人からすればだからこそ手に余る。


 俺が衆議にて意見したなまはげの捜索、それが最終的に容れられて郡都を出立したのは二日前の事である。さてさて、己で口にした話ではあるが、この広大な土地から放浪する化物を探し出すというのは中々に手こずりそうであった。


「ん、分かった分かった。飯だな?そう興奮するなよ。ちゃんとくれてやるからよ」


 唸るような鳴き声に、俺は小屋の傍らに設けられた厩に足を向けて宣う。厩の中には馬が二頭。栗毛と青毛だ。大層腹を空かせているらしく、特に青毛は身体を揺らして、何度も唸って催促する。仕方なく俺が干草を差し出せば元気良くがっつき始める。良い食べっぷりな事で。  


 暫くは手渡しで、途中からは足下の桶に干し草を盛って勝手に食わせる。これは観光ではない、何時までも馬の世話をする訳にも行かなかった。


「俺達も飯食ったら捜索再開だな。………入鹿、どうだ?何か異変は?」


 厩から出た俺が問い掛ければ先程から雪に耳を当てて沈黙していた狼人が頭頂部の狼耳をピクリと動かす。そして頭を上げて答える。


「いんや。俺が知覚出来る範囲では精々獣共の足音くれぇだな。臭いも特に可笑しなもんは混ざってはなさそうだ」


 入鹿のその物言いは保険を掛けたものであった。相手は式神の尾行を誤魔化せる程度には隠行出来る存在である。で、あれば半妖の鋭敏な五感を誤魔化す事も不可能とは断言出来ない。実際、原作シナリオでは隠行衆の手練れを気付かれずに背後からバックリとやってる訳でな。そうでなくても雪というものは音を吸収する。さて、半妖の聴覚で何処まで補えるものか………。


「と、伴部さん。朝餉の用意が出来ました!」


 入鹿とそんなやり取りをしていると小屋の中から現れた白丁衣姿の狐人の少女から報告された。視線を移す。白の立つ戸口の奥、囲炉裏の上に吊るした小さな鉄鍋の中では粥が煮たっていた。干飯を水で戻して味噌と生姜、野草を加えたものだった。味噌と生姜の香ばしい香りが鼻を擽り食欲を誘う。思わず口元が弛む。


「そうか。御苦労………」

「お、飯!飯!待ってたぜ?へへへ、さっきから寒くて腹減って死にそうだったんだぞ?」


 白に礼を述べようとした直後、起き上がった入鹿が俺の側を通り抜けて一目散に鍋へ向けて駆け出していた。そして囲炉裏の前に椀を取り出して陣取る。俺は一瞬唖然として、そして白の表情を見やる。


 何とも言えない苦笑いを浮かべていた。俺も恐らく似たような表情を浮かべていた事だろう。暫し、互いに沈黙。


「おい!早く来いよ!?飯が冷めるじゃねーか!というか杓子何処よ?」


 沈黙を破ったのはまたしても入鹿だった。此方の事はお構い無しに文句と催促。俺は深く溜め息を吐く。そして入鹿に向けて俺は言い捨てた。


「てめぇの自制心は馬以下か!!?」









ーーーーーーーーーーーーーー

 なまはげの捜索に白と入鹿が同行したのは決して俺の要望ではなかった。俺個人としては、寧ろ当初は単独での捜索を想定していた程である。


 単独での捜索予定である筈が半妖二人がメンバーに追加された理由は幾つかある。それは複数名の其々の目論見が合致しての合意であった。


 なまはげの捜索に反対するも最終的に渋々と受け入れた紫の妥協の条件は同行人の追加であった。なまはげの捜索、しかして油断すれば食い殺されよう。食い殺されるだけならば兎も角、発見の報すら出来ずに失われればそれは貴重な戦力をただ喪失しただけの徒労である。紫の条件は、一人食われてももう一人が生きて報告出来るようにという保険であった。


 環が出した条件は入鹿の同行であった。これは先日の衆議の後で鈴音や入鹿に相談した結果であった。彼女自身は責任を感じて自身が同行しようとしたらしいが、それは非現実的であった。代わりに同行するのならば立場と実力を加味すれば入鹿しかおらず、環も最初は反対したようだが鈴音や入鹿自身に諭されて、最後は同意した。


 無邪が同行に同意したのは厄介者を一固めにするためなのは間違いない。態態監視の対象を分けるなぞ手間でしかないのだ。恐らくは式神でも使って密かに尾行している事であろう。


 白が同行したのは本人の強い意向であった。元々雑用として参加した彼女は、俺の側で世話をするようにとゴリラ様から厳命されていたと言って俺が残留を勧めたもののそれに頑固にも従わなかった。そも、俺の立場ではその命令を翻せなかった。一応、土蜘蛛の時のような細工はしていないのは確認したが………。


 しかもゴリラ様の命令という事で紫は此れに反対しなかった。郡司と軍団長に至ってはこれに意気揚々と賛成した。半妖共には纏めて自分達の側から出ていって欲しかった、という所だろうか?


 捜索隊を投入する流れを作った白若丸は、しかし途中から無言となり、しかし要員の追加について反対はしなかった。しなかったが………途中から不機嫌になったのはどういう事なのか流石に分からなかった。一応衆議が終わった後に礼を伝える序でに理由を探って見たのだが………何とも理由判然としなかったのが気掛かりだな。


 まぁ、そのような紆余曲折の末に俺と入鹿の下人二名に雑用として白が加わり、要員三名に馬が二頭という『(。・`з・)ノパパ!ワタシヲワスレテイルワ!!』……要員三名に馬二頭その他一という捜索隊が編成されたのが三日前の事になり、次の日の日の出前には隊は出立する事になった。


 ………残念ながら今に至るまで、件の怪物の足跡も見付けられていないが。


「はぁ………」

「と、伴部さん!?な、何かありましたか……!?」

「ん、いや………お前が気にする類いの話ではないさ」


 囲炉裏を囲む最中に吐き出された俺の深い溜め息に、白が動揺して不安げに此方を見る。軽率だったな。飯時の直前だったので自身の調理が不満だったのかとでも思ったらしい。


「そ、そうですか………?」

「そうだそうだ、気にするな。それよりさっさと食おうぜ?」


 尚も不安そうに此方を窺う白に対して同じく囲炉裏を囲む入鹿が叫ぶ。叫びながらさっさと粥飯を椀に掬わせろと言外に騒ぎ立てる。


「……よし、先ずは白から盛るぞ。ほれ、俺が掬うから椀を寄越せ」

「あ、はい!」  

「おい、マジかよ!?」


 俺が手を差し出せば白が慌てて懐から椀を取り出して差し出す。横から最初に入れる事が出来ない入鹿が文句を言うが無視しておく。


「げ、随分と高そうだなおい」


 黒漆の上に朱漆を塗った所謂根来塗りと言われる技法で仕上げられた手触りの良さそうなお椀だった。底面を見れば鬼月の家紋が金塗りで彫られていた。ゴリラ様に御古の不要品でも押し付けられたのだろう。とは言え御古でも逸品だ、思わず内心で『(*゚∀゚)ホゥ、ミヤビナワンダナァ』………おい、勝手に人の台詞を奪うな。そしてパクるな。ジブリ製作陣に謝罪しろ。


 ……というかさっきから何で虫籠の中にいるのに頭の中に直接話し掛けられてるの?


「伴部さん?えっと………?」

「………馬鹿が何か宣ってるだけだ。無視してろ」

「………?」


 額に青筋を立てる俺に恐る恐ると尋ねる白。此方が返答すれば首を傾げる。どうやら聞こえているのは俺だけ……いや違うな。入鹿が苦笑いしてる。お前も聴こえているのかよ。


「………」


 取り敢えず頭の中に響く戯れ言は無視して、俺は黙々と受け取った椀に粥をよそう。少し小さめの椀に可能な限り注ぎ込む。


 少女とは言え、だからこそ成長期でもある。飽食出来る世の中でもないのでダイエットなんて言葉は流行らない。遠慮なく大盛にした上で白に返す。きらきらと目を輝かせて白は手元の椀を見下ろす。その子供らしい姿を見るとつい口元が弛む。そして俺はもう一人の同行者にも視線と手元を向けて口を開く。

 

「ほれ。次はお前だ。寄越せ」

「おうよ。俺も大盛で頼むぜ?」

「厚かましいわ」


 獣毛がはみ出した包帯巻きの腕を伸ばして差し出されたのは飾り気のない木製の椀。白とは打って代わって無骨で粗末なそれに同じく粥を注ぐ。どうせ少な目にしても遠慮せずに御代わりしてくるのは分かっているので要望通りに大盛でくれてやった。「あんがとよ」と飄々と礼をするのを俺は受け流す。口だけは達者なものだった。まぁ、口はタダだからな。


 最後に俺も懐から自身の椀を取り出す。入鹿同様に木彫りの古めかしい、小さなお椀だ。俺が下人衆に編入されて以来使っている飯時の相棒である。


「よし、では頂くとするか」

「はい!」

「おうよ」


 手を合わせての頂きますの掛け声と共に朝餉が始まる。白はふぅふぅと粥に息を吹き掛けながら小さな口で少しずつ味噌粥を口にしていく。一方で入鹿ははふはふと熱さに悪戦苦闘しつつも流し込むように粥をかっ込んでいった。


「………さて、俺も頂くかな」


 竹の箸で粥を摘まみ一口口に運ぶ。その味に思わず口元を緩ませて頷く。良く噛んで飲み込んで、二口、三口と咀嚼していく。


 粥は消化しやすく水分も取りやすい。生姜は冷えた身体を温めて、味噌で塩分を摂れる。何よりも空腹が粥の味を最高に際立たせていた。


 尚、鉱夫を始めとして危険な職業に就く者の間では「味噌がつく」、「墓標に見える」、「(飯が)崩れる」等の理由から味噌汁のかけ飯は忌避される傾向もあるが、それはあくまでも「飯に汁をかける」場合のみである。逆に汁に飯を突っ込む場合や纏めて煮込んでしまう場合は問題ないとされている。なのでこの粥飯はその手の縁起の面でも問題なかった。………たかが縁起だのジンクスだのと非科学的と馬鹿に出来ないのがこの世界の辛い所である。


「支度が終わったらこの山を下りるぞ。昼までには壊滅したらしい村に到着して捜索する。その後は北に進むぞ。……日が落ちるまでに日焼山まで辿り着きたいしな」


 朝餉が始まって暫し経た頃、俺は粥を食いながら二人に今日の予定を伝える。


 俺達が今使っている小屋は付近の樵や猟師共が設けた仕事や遭難時用の一種のセーフティハウスであり、中には鍋や薪、毛皮が置かれていて、周囲には低級の妖を払う結界が張られている。勝手に使って良いのかと言えばその辺りについては郡司から手形を貰っているので問題ない。というか真冬の雪降り積もる北土で野宿なんて死にかねないので仕方無い。


 事前に郡司から認可を貰って受け取った手形は俺達の身分を保証するものである。盗難防止用に呪いの掛けられているそれは偽装も窃盗も出来ない。手形の表面には稗田郡内において関所の通過や駅やこのような山小屋の利用と物資の補給を認める旨について記されており、俺達の捜索活動を補助してくれる。

 

「しっかし、こうも手掛かりが見つからねぇとなぁ。闇雲に探すのかよ?」


 粥を啜り終えて、椀に御代わりをよそう入鹿が尋ねる。俺は飯の手を止めると側に置いていた荷から巻物を取り出し、紐を解くと見やすいように広げた。


「地図か?」

「あぁ写生した稗田郡の見取図だ」


 俺が広げたのは稗田郡の役所に保管されていた地図を描き写したものだ。今回の任の為に郡司らから特別に許可を貰ってのものだ。……まぁ、かなり難色されたがね。


「此処が先日壊滅したらしい村。で、此処が大体俺達の滞在している山小屋だ」


 描き写した地図に追加の内容を記しながら俺は説明する。


「近いな」

「あぁ。だから最悪昨日の夜番の時に発見出来る可能性もあったんだがな。そう上手くはいかんらしい」


 無論、発見しても近付く真似はしない。式神で報告後、気取られぬように尾行し続けるだけだ。


「なまはげの奴がどういう基準で動いているかは分からないが、兎も角は高所に陣取って周囲を見渡すしかあるまいよ。後は人里周辺だな。最悪、人里の周辺を通らなければ適当にこの稗田郡を抜けるまで誤魔化す手もあるしな」


 尤も、そうは問屋が卸さない事を俺は知っているが。何処まで原作シナリオに準拠するかは分からないが取り敢えずは適当に理由を付けて、なまはげの奴が襲う村々の辺りも探索するつもりだった。


「ふぅん。成る程ね。……しかしよ、仮に村の近場で見つけたらどうするんだ?避難させるのか?」

「……出来たら良いんだがな」


 入鹿の疑念に俺も曖昧に答えるしか出来なかった。状況にもよるが避難させる時間があるのかは怪しい。そも、原作の惨状を思うに避難を要請しても直ぐに動いてくれるか知れたものではない。二百年も問題が起きなかったのだ、危機感があるかどうか………しかも主人公様でも半ば脅迫染みた無理矢理な命令だったのだ、下人や半妖の指示なんて聞いてくれるかと言えば………。


(まぁ、期待するのは難しいよなぁ)


 こればかりはどうしようもない。俺は所詮下人に過ぎず、其処まで強い権限なんざないのだ。この任自体、環が絶望したり失望したりしないようにある種の言い訳作り、アリバイ作りな面があった。


「酷い話だよな」

「伴部さん?何か言いましたか?」

「独り言だよ。……ほら、お前が炊いた飯だ。御代わりしろよ。うかうかしてるとそいつが全部食っちまうぞ?」


 思わず漏れた独り言に反応した白に向けて、俺は話を逸らすようにお玉で鍋の粥を掬って手を伸ばす。既に白の持つ椀の飯も半分減っていた。


「あ、有り難う御座います……!」


 慌てて礼を述べる白に俺は小さな笑みで以て返す。そして俺もまた、椀の三分の一程度までになった粥を見て、御代わりの分をよそう。よそってから、湯気の立つ粥を無言で見下ろす。


「………」


 呑気に飯を食いながら、他人をどのように見捨てるのかを考えていた己の思考に若干の嫌悪感を抱く。後ろめたさを抱く。抱くが、しかし………。


(自己陶酔の類いなんだろうな)


 己の思考を一歩引いて分析して、自嘲する。飯ものどを通らないと言う言い回しもあるが、それを思えば所詮は切り捨てられるのは赤の他人なのだ。だからこうして平然と飯を食えるのだろう。


(尤も、食わない選択肢もない、か)


 生きるためには食わなければならないのもまた事実で、赤の他人のために死ぬ覚悟もなければどうにか出来る力がある訳でもない。堂々巡りだ。


 そして結局は俺に出来るのは眼前の粥を胃袋に流し込む事だけで、それを自覚して、俺は無言で椀を呷るのだった。苦い、やるせない感情と無力感と共に………。


『o(*゚∀゚*)oパパ!ワタシモゴハン!!』


 ………てめぇの飯はねぇよ。


『(ノ´Д`)ノエエー!!?』






ーーーーーーーーーーー

 辰の五つ時になって、俺達は小屋を後にした。防寒具を着込み、馬に荷を載せれば手綱を引っ張り山を下りる。俺は青毛、入鹿は栗毛を其々引っ張り、白は後者の鞍に乗せている。


 平地ならば兎も角、この雪山ともなれば下手すれば大人が鞍に乗っては重心が偏り、馬の足が滑って転倒しかねない。とは言え、白は子供なので体力が足りない。幸い子供なので軽い。重心は偏りにくい。俺は手元の地図と方位磁石に、入鹿は前述の滑落や猟師の罠に意識を向けているので、代わりに高い視点から周囲を警戒して貰っていた。


 全員が無言で雪山を、雪道を進む。場所によっては足首まで雪に沈む悪路を進むのは中々体力を使った。身体の外側は凍えるのに、内側は暑くて最低な気分になる。


「あ、前方に何か……鹿、ですか?」


 それに気付いて、白が声を上げる。俺と入鹿も少し遅れて前方を見た。遠目に見えた影は鹿の特徴的な形が確認出来た。


「どうだ?」

「………いや、大丈夫だ。妖気はねぇ。ただの獣だ」

「そうか」


 俺は杖代わりにしていた槍を握る力を緩めて息を吐く。この世界は一見草食動物でも油断出来ない。草食獣の姿の妖だっているし、擬態している可能性もある。全く油断が出来ない。その意味では入鹿や白の存在は助かる。


「結構太ってるな。焼いたら旨そうだ。おい、ちょっと狩ろうぜ?」

「阿呆。んな時間あるかよ。ほれ、さっさと行くぞ」


 つい一刻前に飯を食ったばかりなのに馬鹿な事を言う入鹿にそう言い捨て、俺は行進を再開する。不満そうに舌打ちしながらも入鹿もそれに続いた。


 数日前に壊滅したとの知らせのあった猪戸村の跡地に辿り着いたのは予定通り昼前、午の九つ時の事である。


 郡の戸籍表によれば人口百十二人、三十戸程と記録されているが、実際はもう少し住んでいたと思われる。土地の霊脈の質が悪いという事もあって凶作の年こそ滅多にないが豊作の年もまた余りない。当然特産物と言える程のものもなく、得られる年貢もたかが知れている。貧しい郡にあるありふれた小村………それが俺達の眼前にある廃墟の嘗ての姿である。


「まぁ、大体予想出来た光景ではあるな」


 押し潰された家屋の数々を見て、俺は呟く。屋根に雪が積もり、然れどそれを落とす住民もいない粗末な木造建築がどうなるのかは少し考えれば誰にでも分かる話だ。


「伴部さん………」


 嫌な空気を感じたのだろう。不安そうに周囲を見渡して、そして俺に視線を向ける白狐の少女に、俺は安心させるように手を握る。そして命じる。


「お前は此処にいろ。周囲の警戒を頼むぞ?………入鹿、お前も残れ。ヤバいと思ったら逃げて良い。ただこいつを置いて行くなよ?」

「お前はどうすんだ?」

「仕事をすんだよ」


 そういって入鹿と白は廃村の入口付近に残すと、俺は一人馬に乗って進む。


「そ、その……気を付けて下さいね!?」


 背後からの少女の慌てたその言葉に、俺は無言で手を上げて応じた………。







「死体は処理されている、か?」


 村の中を捜索する俺は周囲を見渡しながら呟く。疑問形なのは雪の中に死体が沈んでいたら確認しようがないためだ。一応、報告では近場の駅の軍団兵らが埋葬したと伝えられていたが………。


「糞、荒らすなよな………」


 馬を止めて、どうにかまだ崩れずにいる家屋に踏み込んだ俺は愚痴を溢す。案の定、中は金品類を探すために荒らされていた。


 死人に金目の物は必要ないという事で、金属類は特に貴重だ。


 一説では中世のたたら製鉄技術を使う場合、一回の操業で木炭一五トン消費の鉄三トンの生産効率だという。木材や砂鉄を手に入れる手間や関わる数百人の人件費を考えればその値段は言わずもがなだ。そのように考えれば別に虐殺しての略奪でもなし、廃品回収のようなものなのである意味エコロジーではあるのだが………同じような事例は散々見て来たがやはり困るんだよなあ。


 対人ならば兎も角、対妖相手には素人もいい所の官軍の、しかも田舎の兵士達である。馬鹿やって伝染病的に呪いの類いを伝播させたり、妖の痕跡を消してしまうなんて事例は原作及び関連作品でも、そしてこれ迄実際に経験した案件でもあった。直接現場で働く立場からすれば小言の一つや二つ言いたくもなろう。


「……まぁ、文句を言っても仕方ないな」


 愚痴は此処までとして、所有者の居なくなった家屋を一つ一つ確認していく。 


 家内で確認が取れる限り、中に血痕はなかった。火事の類いも無し。これは少し妙だった。不意の襲撃を受けたのならば中で食い殺された者がいても可笑しくないし、台所や囲炉裏の火が火事に繋がっても不思議ではないのだから。


「報告では殆ど外でくたばっていたんだったか?」


 恐らくは奇襲ではなかったのだろう。直前になまはげの存在を把握して、慌てて離れようとした所で捕捉されたか?しかし………。


「引っ掛かるな………」


 残された痕跡を見つめ、口元を押さえながら俺は熟考する。何処か納得出来なかった。何と言うべきか、ズレを感じっ……!?


「ちぃ………!?」


 直後に俺は振り向きながら槍を振るっていた。同時にゴンッ!という衝撃と共に黒い何かが槍の柄で叩き飛ばされた。霊力で強化しての一撃だったので二、三回程跳ねながら雪原に叩きつけられる。


 尤も、襲撃者は一体だけではなかったのだが。


「こいつら、人面犬か………!!」


 俺は眼前で此方を見据える気持ち悪い位に満面の笑みを浮かべた、数頭の犬妖怪を見て吐き捨てる。


 元ネタを都市伝説を起源とするこの怪物共は、厄介であり同時に対処の容易な小妖だ。


 厄介な面はその噛み付きによる同族化であろう。元々の都市伝説でも触れられており、恐らくは狂犬病とも繋げているのだろう。河童のそれ同様に人面犬は噛み付きによる感染によって相手を同じ怪物に変える。それだけ聞けば恐ろしい存在にも思えよう。尤も………!!


「これでも食らえや……!!」


 俺は叫び声を上げると共に閃光玉を投げ付ける。一斉に飛び掛かろうとした人面犬共はそれを認めると怖じ気づき……直後に破裂音と強い発光に満面の笑みのままにその身を痙攣させる。


「こんにちは、死ね!!」

『キャインッッ!!?』


 同時に肉薄、槍の一突きで一体を刺し殺し、そのまま槍を振るって横合いから迫る一体の首を柄でへし折った。


『グルルルルッ!!』

「キモいんだよっ!!」


 そのまま更に突き刺した犬を振るい投げて背後から迫る個体に叩きつければ、人面犬は死骸となった仲間諸とも体勢を崩して雪原に転がる。それを確認するよりも先に俺は疾走していた。


『グル……!!?』


 そして仲間を叩き込まれて倒れた人面犬が尚もニヤけた顔を上げた所を、俺は鉄底の下駄で飛び蹴りで柘榴のように踏み潰した。頭蓋骨陥没である。


『グオッ!!』

「はいはい不意討ちだよな……!!」


 最早様式美のように背後から舌を出して、唾液を撒き散らしながらアグレッシブに襲いかかって来たのは最初に吹き飛ばした人面犬であった。振り返りながら袖に潜ませた手車を振るうように投擲する。手車に繋がった鋭い銀の糸が人面犬の痣のあるスマイルに横合いから食い込んで、次の瞬間にはその身体を真っ二つに切断して即死させた。死んでもまだ良い笑顔だった。マジお前ら接客業に向いてるよ。


「他は………いないか」


 俺は周囲を見渡して、警戒。しかしながら近場に最早化物共がいないのを認めると小さく嘆息して先程始末した連中を一瞥する。


 河童に比べれば人面犬は遥かに易い。狡猾で思考を共有している河童と違い、所詮は知能も身体能力も犬程しかなく、感染するのは直接の噛み付きによるものだけなので厚い革でも纏っていれば十分にその牙は防げた。感染しても発症するまで二次感染は相当な濃厚接触でもしていない限り滅多にない。


 何よりも先程の閃光玉でほぼ動きを封じられたように、設定集によれば人面犬共は光や音等の刺激に弱く、最悪一般人が怒鳴り声を上げるだけでも一時的に動きを止め怖じ気づく程だった。恐らくは狂犬病の症状をモチーフにした特性なのだろう。朝廷が専売している安物の御守りもそれなりに有効だ。


 原作ゲームにおいても、こいつらは対処法さえ分かっていれば有象無象の雑魚で、同時に分からなければ何れだけレベルを上げていても一撃食らえば即死するという代物だった。具体的にはある一定水準の防具を装備しなければ噛みつき攻撃を食らった時点でそのキャラは毒で死亡する。防具が水準以下でも先制して閃光玉等を使えば混乱して攻撃して来ないので簡単に殲滅出来た。


「しかし……死骸は埋めたんだよな?どうしてこいつらが……?」


 その特性故に野犬や一人きりの旅人や商人を仲間にして、個体数はそこそこいる人面犬は、しかし下人として仕事をしていて意外な事に積極的に出会す連中ではなかった。


 音や光等外部刺激に滅法弱いので一人二人ならば兎も角、複数人相手には寧ろ彼方から怯えて避けて来る事も多いのだ。例外があるとすれば放置された新鮮な死骸にハイエナのように群がっている時くらいだが………。


「村人の死体は見つけてないからな………」


 此処まで捜索して、死体やその一部は見つかっていない。先行して此処に訪れた官軍はちゃんと処理はしたのは間違いない。取り零しがあったとしても雪の下だ。こうも群れが集まって来るかは疑問だった。


「兎も角こいつらの片付け……の前に入鹿達だな」 


 俺の周囲に居なくても、入鹿達の下に向かった可能性は十分にあった。化物の死骸を処分する前に俺は馬に乗って入鹿達の下に向かう。


 案の定、入鹿達も人面犬と遭遇していたらしかった。俺が二人の下に合流した時には彼女らの側には頭を削られ……というか豪快に粉砕された人面犬の死骸が二頭分打ち捨てられていた。入鹿の包帯巻きの右腕には血で濡れた鉞が握られている。


 ………いやいや、容赦ねぇな。どんだけ勢い良く振るったんだよ。


「二人共無事か?」

「そういうお前さんはどうなんだ?まさかこんな連中相手に噛みつかれちゃあいないだろうな?」


 俺は身体をくるりと回転させる事で入鹿の質問に向けて答える。入鹿は口笛を吹く。


「そりゃあ結構。此方もこの通りさ。ちょいと咆哮してやれば直ぐ足を止めるからな。ぶち殺すのは朝飯前よ」


 狼の半妖として、衝撃波にすら出来る高音量の咆哮を放てる入鹿にとって、人面犬の相手は容易だったらしい。白に確認するように視線を向ける。白は小さく頷く事で応じた。入鹿が誤魔化しているって事はないようだった。


「取り敢えずこいつらを埋めてしまおう」


 俺は馬に背負わせた荷から艝と組立式の円匙を取り出すと、先ず入鹿の始末した人面犬の死骸を艝に載せて、縄で馬と艝を繋ぐと俺が先程戦闘した場所まで移動する。


 人数が人数なので深い穴は掘れない。取り敢えず死骸を纏めて雪の下に埋めて矢印を立てるつもりであった。雪融けの後に改めて再訪して死骸を火で焼く予定だ。


 死骸の処理に半刻、更に村の追加の捜索に半刻程を費やして、しかし大した成果も得られなかった俺達は失望しつつも予定通りに出立した。同時に昼食もこの移動時に済ませてしまう。


 火を使うような悠長な時間はないので、献立は乾物だ。干肉に干芋、干柿。塩分と糖分を中心に摂取して、朝方に粥を作る時に同時に煮込んだ白湯を瓢箪の水筒で頂く。もうすっかり温くなっていたが冷水よりはマシだった。


「良く噛めよ。水分も忘れるな。ほれ、白。無いなら俺の奴でも飲め」

「あ、はい。すみません………」


 自分用の小さな瓢箪の白湯がなくなったのだろう、途方に暮れていた白に対して俺はまだ三分の一残っていた自身の物を差し出す。恐縮しながら白はそれを受け取って呷る。そして返却するので俺はそれに栓をして腰元に戻す。間接キスやら何やらとは騒がない。この世界この時代では残念ながらそんな初々しい事で騒げる程に気楽でもなかった。旅における飲み水の確保は死活問題だった。


「間に合うかな………?」


 俺は天を一瞥して呟く。ゆらゆらと静かに雪が降り注ぐどんよりとした曇り空。夜を迎える前に日高山付近の小屋か駅に辿り着かねばならなかった。


 どうやら、捜索作業は中々に長引きそうであった………。







ーーーーーーーーーーーー

 それは無残な残骸と化した廃村に足を踏み入れる。


『アァァ………』


 周囲を二度、三度と見渡す。そして深く息を吐く。冷えきった大気の影響で、吐き出された息は凍結して白い煙をたなびかせる。


 ギョロリ、とそれは目を細める。そして見据える。遥か先の山道に、胡麻粒程度に確認出来るその集団を。


 馬を引く霊力を持った人と、妖気の混じった人の小集団を。


『…………』


 暫し遠方を見つめて、しかし直ぐに方向を変えたそれは埋め立てられたばかりのその廃村の一角へと足を運ぶ。傷んだ村の木材を墓標のように突き刺した小山。泥と雪の混ざった地面を、それは掘り返す。そして現れる異様な容貌の犬共の骸を見つけると、直後に村に鳴り響くのは骨肉を引き裂く擬音に、咀嚼音であった。


 音が鳴り響く時間はそう長いものではなくて、雪原に再び訪れる静寂。静粛。沈黙……。


『………』


 それは再び動き出す。遥か遠方にしか見えぬ彼らの姿を見定めて、うっすらと雪原に残る足跡を辿るように、それは歩み始める。追跡する。


 そして、刹那に吹き荒れた雪風に、彼らの足跡は無論、それの足跡も、それの影すらも、何もかもの痕跡はまるで冬の幻のように掻き消されていた………。

 

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