2.1日目「本格的に鍵を探そうか?」
灼熱地獄が襲い掛かった夏休みのある日。
俺は人生で一番、不思議な出来事に遭遇した。
——そう、俺こと
茶髪ボブで真っ赤な灼眼、そして小さな身体に豊満な胸。俺の性癖を
ていうか、言わせんじゃねえよ……。
とはいえ、巨乳ロリで童顔な癖に性格は天然で、少しお姉さん感が強い。さすがの俺もどこかで負けてしまいそうだな。
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「それで——、真音さんはどこで鍵を落としたんですか?」
まったく、女性とは良く分からない生き物だ。あくまで男から見て——の話だが、それでもやはり理解はしかねる。
性格は突発的で感情的で楽観的あるとよく呼ばれるが、知らない男子高校生の家に上がり込んでくるくらいに楽観的なものだろうか。まあ、確かにこのマンションにはおじさんやら家族ずれやらばかりだから——高校生、そして俺に行けばまだ安心……なんていう、思考回路も分からなくはない。
とはいえ、俺も高校生だ。
つまり、健全たる日本男児である。
思春期真っ盛り、性欲もピークだ。彼女のいない歴=年齢の男が相手では些か危ないだろうに。
我ながらそう思う。
「えっとぉ……どこだっけ?」
「ほんとに探す気あるんですか?」
「それはもう、もちろんある!」
「——じゃあ、どこで落としたんですか?」
「……んぐ……わ、わか……からない?」
「はぁ……」
呆れる。
というか、もう——やる気がないのかこのロリっ子は。
「……う、うぅ、ごめん、なさい……」
「いや、別に謝らなくても」
「……」
「だからと言って無言になられるのは……」
「じゃあ、どうしたらいいんですかっ!」
「探してください」
「んぐっ……そ、そんなのわかってるし……」
頬を赤らめて、ぷくりと唇を尖らせる彼女。こういうところは本当に子供っぽい。
「——まあ、とりあえず覚えてるところとかってありますか?」
「お、覚えてるところ……」
「最後に落としたところ的な……どう、覚えてない?」
「うーーん……まあ、覚えてるかと言われれば嘘になると言うかなんというか……」
「それは覚えてないって言うんですよ……」
ウケ狙いなのか、それとも素なのか。
答える俺の身にもなってほしい。
「あ、そっか」
「気づいてくださいよ」
「ごめん、なさぃ……」
「はいはい、直ぐそうやって落ち込まないでください! その、あれですが……さっそく泊まられたり何なりされてますけど、俺も結構感謝してるんですよ?」
「……そ、そうなの⁇」
「はい、昨日は洗濯ものとか……俺がいつも面倒でやらないものとかやってくれたじゃないですか? 結構感謝してるので、そうやっていじけてないで元気出してくださいっ」
「ほ、ほんとに?」
「本当ですっ」
「あ、明るくしてもいいの?」
「明るくしちゃってください」
「電気、みたいに……?」
「はい! それはもう、太陽みたいにっ」
「……そ、それならが、頑張る‼」
廊下でニコリと笑った真音さん、飛び跳ねてたぷんと揺れたお胸を強調気味に見せつける。
思春期真っ貞中、そんな高校二年の男児には目を背けたくても背けられないような光景だった。
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