5日目 「耳かきるーと」
夏休みのある日。
俺は野生の巨乳ロリに出会った。
肩までかかった茶髪が窓から舞い込んだ微風にふわりと揺れて、柔軟剤のいい香りが俺の鼻腔を刺激させる。ポカンと空いた口に、たぷんと揺れる胸が心をドキリと弾ませる。
この気持ちは何だろうか?
そう思った瞬間から、二人の関係は始まった。
ロリお姉さんと高校二年生が歩む日常ラブコメディ。
――――――――――――――――――――――――—————————————
「はぁぃ……ここかなぁ……どぅかなぁ……」
ゴリゴリ、ゴリゴリ。
鼓膜に響く低めな音とふわりと入り込んだ吐息に俺の体は少しだけビクついていた。
「っあ……おぉ……」
「どぅ……気持ちいかなぁ……?」
「っき、きもちぃ……ですっ」
「……ふふふ、ならぁ……よかったぁ……あ、ほらぁ……ここに、ごりごりがっ……」
「う、っあぁ……っ」
一体、誰が聞きたいのだろうか——と思ってしまうがあっ——やばっ。気持ち良過ぎる。目が点になるというか、っう、うわぁ……やばい……。
いやはや、耳かきの方じゃなくても——後頭部を優しく包む太ももの方も柔らかくて語彙力が皆無になる。気持ち良くて、心地よくて、何も発することが出来なかった。
「よしよし……」
「っぁ」
それに、なでなでも追加とはさすがに豪華すぎる。
これが、これの感覚が。
——所謂、バブみだろうか。
まあ、そんな気もしなくもn——
「ふぅ~~」
「っ」
生暖かい吐息が俺の耳の中を優しく撫でた。瞬間、入り込んだ息に押された皮膚がフルフルと震えて、肩がビクンと飛び跳ねた。
背徳感、もしくは愉悦感。
どうしようもなく気持ちいのに、少し悪いことをしているような二つの背反した感覚が俺の胸を余計に熱くさせていた。
それから、数分後。
耳の外側をコリコリと掻いた後。
長きにわたる耳かきは終わりを告げる。
「————よしっ、これでいいかなぁ……耳の中も綺麗になったから、大丈夫だよぉ……」
「……あ、ありがとうございますっ」
「いやいや、私が言いだしたんだから……むしろありがとうだよ?」
正座を続けながらも、大丈夫だよ——と、ふにゃりと笑った。
いやしかし、かれこれ数十分も経っているので真音さんの脚が少し不安だ。——というかもう、少し震えているのが見える。
「そ、そうかな……ならよかったけど。でも、脚とか痛くない?」
「脚?」
「うん、重かったかなぁって……」
「全然、むしろ軽いくらいだったよ?」
「ほんと? お世辞じゃなくて?」
開き直った表情、プロプルと震えている小さな太ももは俺にも見えているのに。こうやって、子供みたいに隠すところもお姉さんとは違ってギャップに萌えるのだ。
「——もぅ、お世辞じゃないよ!」
「その割には脚が震えているように見えるけど?」
「うぐっ……ち、ちがうもんっ……」
「はははっ、バレバレですよ~~」
「っ——もぅ‼‼」
目一杯こぶしを握り締めて叩いているのだが、ぽこぽこぽこなんていう擬音が似合いそうだった。
「よし————俺も元気出たよっ、ありがと」
「う、うん……それならよかったけど……」
「明日は部活もあるし、今日はあと勉強でもして時間潰すよ」
「うん……頑張って。あ、でも」
「?」
立ち上がった俺の肩をトントンと叩いて、抱き寄せた胸によりできた谷間を強調気味に見せつける。何度見ても飽きない大きな胸に俺の視線も瞬時に向かったが、純粋な表情を見せられたら年上だろうがこんな下品な下心を露わにしたくなかった。
「……お夜食も作った方がいいかな?」
「——え、いいんですか?」
「うん、作っちゃうよ! 私!」
ギューッとこぶしを握り締めて、意気込む真音さん。
そんな可愛らしい姿に再び俺の心は飛び跳ねたのだった。
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