第15話 図書館

 図書館を見るとその街の文化レベルがわかる。

 ちょっと大げさだけど、図書館にやる気がないと子育てに優しくない街だという印象。


 転勤してスーパーとか病院とかをチェックするのと同じくらい図書館もチェックしますが、図書館がしょぼいと、もうそれだけでがっかり度が増すんですよ。


「ああ、他に探さなきゃ」って。


 やる気というのは単純に蔵書数や新刊がそろっているというだけじゃないです。

 あちこちの図書館に通ったけど、小さな町だからしょぼいだろうとか、政令指定都市だから立派ということはありませんでした。


 むしろ、今住んでいるところは政令都市で、区ごとにある程度大きな図書館があり、区民センターなんかにも併設されていたり、中央図書館は新しくて立派な建物だったりしますが、いまいち居心地が悪い。

 本を探していてワクワクしない。借りた本をのんびり、そこで読んだりできない。人気の本なんかはいつ行ってもないし、予約すれば数百人待ち。

 これで、カウンタノーの人が不愛想とか二度と行かない。


 図書館って、ただ本を並べてある場所じゃないと思うんです。

 話題の本もそうなんですが、その世代ごとや情勢ごとに読んで欲しい本。おすすめの本なんかをアピールしてもらって、本と出合う。

 そこに、発見や喜びがあるのに、「終戦記念日に戦争の本並べてコーナー作りました」って図書館が多い。


 うん、わかるよ。

 一年に一度、戦争を思い出して本を読もうっていうのだろうけど、果たしてそのコーナーの本を何人が手に取るの?

 あ、戦争の本を並べるのが悪いんじゃないです。ただ、その見せ方なんですよね。


 まあ、何をやるのも人手が足りないので手が回らないのかもしれません。そう考えると、図書館で使えるお金は少ないのでしょう。

 図書館に活気があって、沢山の人に利用してもらっても政治的にはっ評価されないのかもしれない。

 評価されないところに予算はつかないですからね。


 でも、凄く居心地のいい図書館もあるんです。

 何時間でも本を探せて、座り込んで読んでいられる。

 そういう所は、子供から老人まできちんと住み分けができていて、学生も静かに勉強できて、みんなに居心地がいい。


 あ、話はそれるけど、今の図書館は自習禁止の所が多いんです。

 禁止してなくても、図書館とは別にスペースが設けられていたりね。

 あくまでも、そこにある机やいすは読書の為なんです。

 まあ、当然だけど。

 何時間もそこに居座られて勉強されたら、本当に本を読みたい人の邪魔ですから。

 でもね、学生が自習できる場所も少ないのも確かなんです。

 うちの子なんかも、勉強スペースのある図書館に行くんですが、そういう所は争奪戦らしいです。

 学校も、防犯の為か教室で残って勉強できなかったりするし。塾でも空き教室がないのでできないそうだし。


 家でやったら?

 とも思うんですが、なんだか周りで勉強してると自分もやらなきゃと思って集中できるとか言ってました。


 そんなもんですかね。


 そこまで図書館に求めてはいけないんだろうけど、受験生を持つ親としては、もうちょっと勉強スペースを増やして欲しいかな。



 勿論、図書館は子供の為だけの施設ではないので、社会人や年配の人にとっても利用しやすい環境であるのが大事だけど。

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