尾岡と相方さんとの出会い 第7話
ご無沙汰しています、尾岡です。
さて前回までのあらすじ。
紆余曲折しましたが、尾岡と相方さんは付き合うことになりました。
おさらいですが、僕と千子さんとの距離、高速道路を使用して先程、Googleマップで調べてみました。流石です、Google先生。オッケーグルグル! うん、全然オッケーじゃない、1347km!
壱阡参百四拾七!(漢数字にすることの意味……w)
周囲の知り合いからは、呆れられました。
曰く
――絶対、すぐ終わるとか。
――写真で見たけど、あんな可愛い子、すぐ彼氏できるって。
とかとか。
それは
尾岡、この時悪友に唆されて髪を染めたんですよね。
ずっと、黒髪だったんですけど。
ちょっと、茶髪にしてみて。
人生初、髪をいじりました!
千子さんには好評だったんですけどね。
――大丈夫、遊び人なんじゃないの?
――遠距離だし、千子は騙されてない?
――絶対、青森で別の女作ってるよ?
とまぁ、そう言われたかどうかは定かではありませんが(マテ
いや、でも「遊び人に見えるけど、大丈夫?」と心配されたのは事実のようです。
ただ、ずっと友達のまま。
もしくは尊敬する作家さん。
そんな視点で見ていたので、実は相思相愛になるなんて思ってもみなかったんですよね。
それは、お互いがそうで。
だから、周囲の声もあまり気にならなかったというのが、本音でしょうか。
この関係を知る、仲の良いネットのお友達に祝福していただいたのも、今では本当に良い思い出です。
ちょとおさらいなのですが。
時は2004年。スマートフォンもまだない時代。LINEなんか、当然なかった。
これぐらいの時代にmixi《ミクシー》というサービスが出たはず。と思って調べたら、ビンゴ2004年でした。
mixiはFacebookに近かったですね。日記があって。興味がある相手とつながる。同じことが好きな人とグループを作ることができた。
でも誰も彼もログインができなくて、すでに登録しているユーザーから招待を受ける必要があったんですね。
そのクローズな感じも良かったですね。
ただ、友達の少なかったおいらは
「mixi? け? おいら、ホームページ派だから悔しくないもん。悔しくないんだからね!」
とヤサグレていたことを今だから懺悔します。
ちなみにmixiは、モンスターストライク(モンスト)の制作元でもあります。
さらに懐かしいネタを書くと
小説家になろうが個人サイトとして解説されたのが2003年。
現在のカタチになったのが2007年ですから、やっぱり時代を感じてしまいますね。
で、僕らの話に戻ります。
でも、この時代のSNS、基本的にはテキストベースのやり取りでした。
以前も書きましたがメッセンジャー(文字チャット専用アプリ)を使いながら、僕は千子さんとコミュニケーションをとっていました。
もしくはEメールね。
電話もしていたけれど、基本はテキストベース。しかもお互い、言葉を抑えながら。相手に分からないように。でも仄かに感情を詩にこめていたので、そりゃもう想いが爆発してしまったんですよね。
当時のメールを読み返すと。
本当に……やべぇ(え?
このエッセイを読まれる方は、僕の小説をよんでくださっている方も多いので。あえて引き合いに出すのですが。
僕の小説って、バックグランドに90年代の少女漫画――その一部ではあるんですが――大好きだったので、その影響があると思うんですけど。
だから自分の作品って
本当に甘いなぁって自覚もあるんですが。
その作品が真顔になるぐらい、
このメールが甘いので。
これはもう墓場まで持って行こうと思います。(え?
逆にね。
電話で話す時、あれだけ言葉にしていたのに
言葉にならなくて。
でも他愛もないことを話しながら
ナマの声で照れながら感情を晒した瞬間が、本当に尊いなって思いました。
明けて2005年。
千子さんが、大学の事務員をやめることになりました。
彼女の中で色々な理由があったと思います。
この時も、視覚障害・聴覚障害のボランティア活動に勤しんでいる人でした。
もともと福祉現場に立ちたいと思っていた人が、体力面から断念して保育士に路線変更し。就職はそのまま大学へ、といった経緯の彼女。
誰よりも福祉に対しての情熱があり、誰よりもプロフェッショナルだって思います。僕の仕事の話を聞いていたのも、決断理由の一つのようでした。
離れている僕は「応援するよ」としか言ってあげられない。
「だからね」
って電話の向こう側で千子さんが言っているのを、今でも憶えています。
「お仕事をやめて、ちょっと時間があるから。れきさんのいる青森に行ってみようかなって思うんだけど、どうかな?」
【BONUS TRUCK】
というほどのものではないんですけど。
僕ら、お互いの気持ちを詩で表していました。
あの時代の詩を晒すのは、かなり照れるものがあるのですが、
まぁ、比較的マイルドなのを置いておこう、と。
以前、千子さんの詩を引用させてもらったので、今回は尾岡の詩を掲載したいと思います。まったく誰得だよって感じですが。
(そもそもこのエッセイが誰得だよって話ではあるんですけどね)
それでもよろしければ、どうぞ。
■■■
言葉が足りなかったから
言葉をかけてみたら
今度は別の場所が足りなかった
1+1=2にならずの僕ら
なんとなくただぼーっとしていただけなのに
なんとなく時間がすぎていて
気付いたら溜息だけが残留沈殿
君と話がしたいの
君の声で
君の温もりで
前に進む力が溢れて
君と話がしたいの
君の声が聞きたいの
でも あっさりと流れゆく時間
それを言い訳にして
今日が終わる
君と話がしたいの
君の声が聞きたくて
君と膝を突き合わせて
真剣なことじゃないことも
コトコト煮詰めて、染み込ませて
君のことを話したいの
話したいことが山のようにあるから
話したいことがたくさん有りすぎるから
また明日
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