第2話 裏

 「ねぇ!なんで置いてくの!?私のこと好きって言ったじゃん!!好きなら置いていかないでよ!!!」


 あぁ、分かってるよ。こう言ったって、君が私を置いていくことぐらい。


 もう何度も繰り返したもの。


 何度も何度も。今は何回目だっけ?んぇっと、確か31415回目だっけかな? 



 「俺達は、一緒にいちゃ駄目なんだよ。ほら、ワガママ言わないで。可愛い顔が台無しだ。」

 

 それでも、私は君と一緒にいたいんだよ。どうなっても。



 「軽率に可愛いとか言わないでよ!そんなこと思ってないくせに!あと私はいつでもかわいいから!!!」

  


 私は可愛いかな?君の愛した私でいれてるかな?自信なんてものはとうの昔に失ったよ。


 あぁ、こうやってすがりついて、泣きわめいて、それでも君は私を置いていくんだね。私を守るために。その命を犠牲にして。



 「ごめんね。俺だって置いていきたくない。一緒にいたい。けど、駄目なんだ。俺達はここで終わり。お別れしないと。」


 嫌だよ。置いてかないでよ。独りで苦しまないでよ。

 ………………言っても無駄なこと、私が1番知ってる。

 あぁ、やっぱり君も私を置いていくんだね。


 「どうしていつも一人にするの?愛してるのなら、そばにいてよ。一緒にいたいよ。」


 君を犠牲にして独り生きるぐらいなら、君と二人で地獄に落ちたかった。


 まだ終わらない。終われない。


 また始まってしまう。


 「はじめまして。」


 なにも知らない君と、私の出会いが。

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繰り返す少女 黒井真心 @35032146132mm

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