第66話 ユメユメユメ ユーメ ユーメが.あるよ
幸先の良いスタートを切った二日目は、言ってしまえば丁度いい日だった。
昼頃のピークも混み過ぎずにあれくらいならなんとか耐えられそう。
あれがずっと続くならば、流石にきついけど一時の十分くらいならぎりぎり回せそう。
そんなふうに、初期ブーストなしでもなんとかと店を回していけそうと、俺は安堵する。
てなわけで、俺の夢であった田舎で喫茶店でもやってお嫁さんとゆっくりと暮らしたいという目標は達成……されていない!
そう、まだもう一つだけ、圧倒的に足りていないものがある。
それはズバリ、結婚だ!!
結婚。その漢字二文字に俺が今までどれだけ踊らされてきたか。
幼い頃は両親に憧れてあんな夫婦になりたいと言い、少し育てば結婚なんてしないモードに突入し、大人になれば親の圧を感じて。
ただ根本的に俺は恋推奨派だし、結婚をしたいと思っている。
ただ、悲しいことに世の中したくてもできないことというのがございまして……。
結婚というのはそちら側で、一人じゃできないんですね。本当に世知辛い。
しかも、いきなり結婚なんてできずに、交際期間を経てゴールインが理想的。
さてさて、私交際もしていなければお近づきになっている女の方もいらっしゃいません。
…………これ無理ゲーでは?
別に俺がとてつもなく悪いわけでも、とてつもなく条件がやばいとかではないと思う。多分。
一応お金ならあるけど……それに寄ってくる人はろくなもんじゃないだろう。
「結婚してぇーなー」
俺は何故か頭から離れないドンキの歌のAメロをループをしながら、そんな欲望をだだ漏れにしてつぶやいた。
この後、それがひょんな形でどうにかこうにかなることを知らずに。
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