月光

 月光



月光だけを纏った人が

この街を去っていく

強くなった道を残して

次の街へと向かっていく


月光は少し薄くなって

次の人を待っている

私は光らなくなった星で

毛布を作っている


歴史が少しずつ細くなって

どこにも勧めなくなる日までに

誰かに求められるような

そんな人になれるだろうか


月光が見えなくなった

街は少し傾いて

影を振るい落とす

瞬きだけを許して

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