【詩集】ノートの遺した傷
清水らくは
一人で旅に出る
ぼくらは
おいしいソーダを飲むために生きていると思うんだ
いつだって
おいしいソーダは心を落ち着かせてくれる
だから
おいしいソーダを探していく必要がある
ぼくらは
おいしいソーダを飲めているだろうか?
今まで
おいしいソーダに出会えていたのだろうか
だって
まだまだおいしいソーダがある気がするから
君といるのは好きだ
でも
この部屋にはおいしいソーダがない
どこかにある
おいしいソーダを探しに行かないか
旅に出よう
知っている
君は旅に出たくない
君は部屋を出たくない
まどろみに身をゆだねて
硬い感情に触れたくなくて
ずっとここにいたいんだろう
でもぼくらは
おいしいソーダを飲むために生きていると思うんだ
僕一人で旅に出るよ
君のためにおいしいソーダを探してくるよ
そんな顔をしたって駄目だ
ふたりでずっとずっと生きていきたいから
そのためにしばらくはなればなれだ
ごめんよ
ぼくだって旅に出たいわけじゃないから
今日はそんなに遠くに行かない
そこそこおいしいソーダを
その辺で買ってくるよ
でもね
いつか最高においしいソーダを飲んで
馬鹿みたいに笑ってみたいんだ
君と
君とだよ
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