とある救世主の物語

幸福太郎丸

プロローグ


西暦19XX年

2月の凍えるような冬の日も救世主の朝は早い。鶏のなく前に座禅をするのだ。


しかし今日は何か物思いにふけり、あまり集中できない。ダメだダメだ。

そして思い直して首を振り、彼はまた恍惚の中にお戻りになった。



救世主は朝夜と関係なく人々の病を治した。 救世主のアパートの前では病人の長い長い行列ができていた。

まだ、この地に来てから間もないが人が人を呼び、今では寝る暇もない。


いつの間にか弟子だと名乗る人間も数名そばについていた。

救世主が病人の痛むところに手をかざす、すると、じんわり患部が暖かくなり、その場で痛みがひいてしまうのだ。

病人は涙を流し、ある者はオーマイゴッドと叫んだ。


一日が終わり床に就く前、救世主は水をぶどう酒に変えて一人お酒を飲んだ。

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