お姉ちゃんです!

二髪ハル

 プロローグ

 今にでも夢に出る。

 俺、初めてその施設ばしょに来て嬉しくて、そしてその人に恋をしてしまった。

 1年が離れているお姉さん的な存在の安達あだち 穂乃果ほのか。施設にいる子供達にも面倒見がよく、学力が悪かった俺に対して諦めを投げ出さないで丁寧に教えてくれてた。

 最初の頃は成績が悪かった、が怒りはしないで次を生かす方法とその弱点の克服を教えてくれたりしてくれた。

 そのおかげで成績はグングンと伸びていき、

「流石、私の可愛い弟だね」

 テストを見せながらそう褒めて頭を優しく撫でてくれるのが好きで弟として接してくれることが嬉しかった。

 お正月。その施設から初めてのお年玉ということで俺は少し前から穂乃果が気になっていたヘアピンを購入しプレゼントすることにした。

 穂乃果を呼び出して紙袋を手渡した。

「えっ……」

「いつも勉強とか教えてもらっているからお礼の代わり。いつも見ているから欲しいのかなって」

「えっ、嬉しい」

 袋から取り出し色々な角度からずっと眺めていた。

「プレゼントなんて嬉しい」

 物凄くキラキラと目を輝かせていた。

「付けてもいい?」

「いいよ」

「やった! 早くつけよう……」

 髪にパチッと付けた。

「どう? 似合っている?」

「……うん」

 物凄く似合っていて思わず言葉が出なかった。

「えへへ。私の可愛い弟からのプレゼント〜絶対に宝物にしないと!」

 本当に嬉しいようでぴょんぴょんと跳ねていて本当にプレゼントしてよかったなと心の底から嬉しかった。

 ……だけど一緒に居る時間は限られていた。

 そう、穂乃果の里親候補が見つかったのだ。

 

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