アパタイト
※藤堂さん視点
晩御飯は加賀くんが要望に答えまくったので餃子と唐揚げとエビフライがワンプレートになったお子様ランチのような品が振る舞われた
彩りは悪いがどれもこれも絶品、男衆はつまみに舌鼓を打ちながらビールを飲む手が止まらない
かく言う私も好物のエビフライが出てきて大満足なのだが出所不明の調味料を考えるとどうも心の底から料理を堪能出来ないというか…この後の個人説明会もあってあまり心中穏やかではない
「ロイ、今日の片付け当番お前なんだからあんま飲み過ぎんなよ」
「旦那ぁそりゃ無理な話だ、こんなに飯が美味いと酒も止まらねーよ」
加賀くんは「仕様がない奴だ」なんて言いつつも満更でもない顔で食器を片付け、余っていた惣菜を大皿にまとめてテーブルに置く
ついでにウイスキーまで添えて
「朝は早いんだから寝る時はしっかり寝ろよ?」
「流石旦那!話が解る!」
自分よりも大きく年上であろう酔っ払いの頭を撫でると加賀くんは自室である二階に上がっていった
さて、本題はここから
「花ちゃん…どっちが先に行く?」
「とりあえずアタシから行く」
私に特に異論はなく、金夜さんはそのまま立ち上がり二階へと登っていく
「お、何だ何だ?女将さん夜這いにでも行ったのか?」
「………」
下品な酔っ払いは嫌いだ
下世話に一括りされるのも大嫌いだ
もっとロマン溢れる言葉で飾ってくれ
せめて逢い引きとかにしてくれ
…というか絡まないでほしい
「悪ぃな嬢ちゃん…おんめぇは旦那の客に失礼さすんな!」
「痛って!?何すんだコ…んぐっ!?」
ブーノさんがロイさんの頭を小突くとトロントさんがウイスキーの瓶をロイさんの口に突っ込んだ
「すみません…このバカはすぐに回収します」
「ぺ~…ぐるぐ~るだぁ…」
真っ赤な顔で瞳に渦を浮かべるロイさんはブーノさんに担がれ自分の部屋へと運ばれていった
「本当に申し訳ありません…彼も悪い奴ではないので今回ばかりはお許しください」
「別に気にしてないのでそんなに謝らなくても大丈夫ですよ?」
年下の小娘に随分と大袈裟だと思いつつも向かいに座るリーサさんとエルフちゃんを見るとこちらは対照的にさほど気にもせず食後のジェラートをパクついていた
「ねぇねぇリーサちゃん」
エルフちゃんはリーサさんの膝の上に座りながら上を向いて尋ねる
「よばいって何?」
うわっ…
一番困る子供の質問きた…
リーサさん、ここはお姉さんとしてどう
「………」
目の前の男は助けるどころかどこぞの司令官のようにドシリと構え眼鏡を光らせている
今すぐにこのムッツリ眼鏡にコップの水をぶちまけてやりたい衝動に駆られたがその前にリーサさん達に動きがあったので
リーサさんはライチちゃんの後ろから腰に腕を回すように抱きしめた
「今どんな感じですか?」
「フワフワする」
「これのだいたい100倍くらいですね」
彼女の微笑みはまるで聖母を彷彿とさせ、見てるこちらの邪な心が洗い流されていく
「ヤバいよ!そんなにフワフワしたら雲になっちゃう!」
エルフちゃんが妙にメルヘンな事を言ってるがそういう習わしや習性でもあるんだろうか…
「そうですよ、雲になっちゃうんですよー」
「よばい怖い!フワフワ怖い!」
得体の知れないものに怯えるエルフちゃんを抱きしめ続ける彼女を見ていたらトロントさんの眼鏡に皹が入った
どうやらこの男…浄化されたらしい
「くっ…すみません、先に休ませてもらいます…」
「大丈夫ですか?どこか体調でも悪いんですか?」
「強いて言えば心が痛いですかね…」
「?」
フラフラと自室に戻るトロントさんの背中は悲壮感に満ちていたが自業自得なのでそのまま勝手に懺悔しておいてほしい
罪の無い彼女をエロい目で見るのは許されない
きっと神様も許さない
少なくとも私は許さない
そんな茶番を挟みつつ待つこと30分、先に行った金夜さんが顔を火照らせながら帰ってきた
「くぅ…もう嫁に行けねぇ…////」
第一声から心踊るような台詞を言ってくれるじゃないか
「どしたの?まさか本当に夜這いでもしてきたの?」
「な、何だよ夜這いって!?そそ、そんなわけ無いだろ!!……もう寝る!」
これでもかと動揺する彼女は顔を手で覆いながら走り去っていった
「乙女だなぁ」
そんな感想を述べつつ私は階段を登っていく
もしかしたら加賀くんが私にも何か変な事をしてくる可能性も一瞬頭に
いや…ボコボコという表現は女の子として可愛らしくないなぁ…
ここは懲らしめる、くらいにしとこう(内容は変わりません)
ま、流石にそんな事態にはならないでしょ
私は金夜さんが愛して止まない彼を信じながら部屋のドアをノックした
「礼儀正しいな…勝手に入ってきていいぞ?」
あまり親しい仲ではないので無礼はしない
そもそもさっきの発言で加賀くんを少し警戒してるのでノックくらいはさせてよ
ともあれ私はドアを開けて部屋に入る
「まぁ適当に腰かけてくれ」
加賀くんは机に向かい書き物をしながら私に対応する
腰かけてくれと言われたものの椅子は彼が座ってる1脚しかなく
他に座れそうなところと言えばベッドくらいしかなかった
「別にこのままでいいよ」
「ん、そうか」
私は男子の部屋に来ていきなりベッドに腰掛けるような
それに加賀くんが自然な形で狡猾にベッドへと誘導している可能性も否めない
「花ちゃんもうお嫁に行けないとか
「んー?大袈裟だな…俺はただ色々誤魔化しがてら耳掻きしただけだよ」
「膝枕でか!?」
「え?ああ、普通そうなるだろ」
ついつい加賀くんが戸惑う程ボリュームを上げてしまったが問題はそこじゃない
でもその光景も見てみたかったなぁ…
「何をどう誤魔化そうとしたら膝枕に辿り着くの?紆余曲折の極みだよ…」
「それはもう趣味だな、人の耳掻きすんの好きなんだけどこっちにゃ妹も居ないし最近出来てなかったんだよ」
エルフちゃん辺りに頼めばよかったんじゃないの…?
というか誤魔化しつつ自分の欲求も満たすとは中々図々しいな…
「まぁ本当はか…藤堂にしか用がなかったから適当に茶を濁しただけなんだけどな」
「私も手込めにするの?」
加賀くんが私だけにある用件なんて思い当たらない
考えるのも時間の無駄なのでストレートに聞いてみた
「人聞き悪ぃな…そんなことしねーよ」
「加賀くんは客観的に自分の言動を振り返った方がいいよ?」
「そりゃまぁ藤堂にとっちゃ大分気持ち悪い感じになっちまったかもしれねーけど、それを今から説明すんだからあんまり辛辣な事言うなよ…折れちまう、心が」
わざわざ倒置法で言うほど繊細には見えない
「じゃあもう余計な事言わないから解りやすく、尚且つ納得の出来る説明をしてね」
「ハードルが高いな…」
そんなに難しい事は言ってないつもりだけど…
彼は一瞬難しい顔をするとようやく私の方に顔を向けた
「まず前提として今俺人生2回目なんだけど…」
「意義あり!!」
私は高らかに声を上げ挙手する
前提から早くもおかしい…
オリンピック選手もビックリのスタートダッシュだ
「余計な事言わないじゃないんすか?」
「いや…流石に出鼻を挫かれたよ」
クラウチングスタートからズッコケた気分だ
もはやギャグの領域
「
「確かに…じゃあとりあえず続けて」
色々と言いたい事はあるが状況を鑑みて今は黙って話を聞くことにする
怒涛の質問はその後でもいい
「んでその1回目の人生で藤堂の旦那と同僚だったんだけど…」
「はいストップ!」
ダメだ…やっぱり付いていけない
こんなスピードで淡々と話されても頭が追い付かない
フェラーリと三輪車くらい差がある
「いちいち止めんなってー」
「いやいや…止めるでしょ…じゃなきゃ加賀くんのことデンパ系の人として認定するよ?」
「それは困る…」
変なレッテル貼られるのは彼も嫌なのか怒られた犬のようにシュンとする
彼に獣耳が生えていたなら今確実に垂れ下がっているだろう
「今のたった二行の説明で明らかになった事をはっきりと言うとね、私は加賀くんの話を一切信じないってことかな」
彼に対して話下手なイメージは無いが内容が飛躍し過ぎて話し手も聞き手も無茶苦茶だ
それが虚偽にせよ真実にせよ、ね
「それは別に構わねえ、信じようが信じまいが俺のやることは変わらない、か…藤堂にはその理由について理解してもらいたかっただけだ」
「それを私だけに話す理由は?」
別に彼が2回目の人生を歩んでること自体相手を選んで話す事ではないと思う
少なくとも私じゃなくてもいいだろう
「お前は俺が巻き込んだようなもんだからな…」
「どういうこと?」
巻き込むも何もこれまで接点が無かったんだから加賀くんに巻き込まれた自覚は全く無い
「言っただろ?藤堂の旦那と同僚だったって」
「言ったけど…信じてないよ?」
「まぁそれはどっちでもいいけど、兎に角お前は今時期には本来子供が産まれてる筈だったんだよ」
「は?17で?早くない?」
加賀くんの中では私は17で出産したらしいがその私アグレッシブ過ぎない?
…想像もつかないんだけど
「ああ、そんでもちろん高校は中退…3人で仲良く暮らしましたとさ、めでたしめでたし」
「今の私にはめでたくないよ、勝手に終わらせないで」
「チャンチャン」なんて手拍子付きの効果音を口で挟まれ私は少し苛立つ
「まぁだから本当ならお前はもう学校に居なかったから異世界に飛ばされる事なんてなかった」
「百…一億歩譲って加賀くんの言ってる事が本当だったとして、今の私は何でその運命の人に出会ってない訳?」
「そこら辺が巻き込んじまった要因なんだよなぁ…」
大きな溜め息を夜に溶かし、彼は部屋に掛けてある学生服に目をやる
「1回しかないと思ってた人生が2回あった…だったら出来なかったことやりてえじゃねーか……最高の連れと一緒にさ」
我儘
自己満足
加賀くんは続けてそう語った
「俺も、お前の旦那も中学を卒業してすぐ同じところで職人になった…自分で稼いでるからこそ藤堂、お前と結婚するのに迷いが無かったんだ」
「その人が加賀くんと一緒に学生になったからこそ今現在も何のアクションも起こってないってこと?」
「まぁつまりはそういう事なんだが…その件は遅かれ早かれだな」
「?」
「結局のところ運命みたいなもんは簡単には変わらねえ、ましてや誰かの趣味とか性格とか…そう、女の好みとかもな」
「………」
そこまでヒントを出されたら誰だって察しはつく
どうやらその人は今も私を好いているらしい
加賀くんの話は信じ難い話ではあるけど…
内容はなかなかロマンチックで私好みだ
「まぁ信じはしないけどさ、そこまで言われると相手が誰なのか気になってくるよ」
「それは口が裂けても言えねえな…今運命は簡単には変わらないとは言ったけど無理矢理捩曲げる事も出来る」
「そういえば加賀くん私を呼ぶ時に最初に『か…』って何かと間違えそうになるよね」
「…………」
彼の動揺はあまりにも解りやすかった
明後日の方を見ながら吹けない口笛で掠れた音を奏でる
典型的過ぎて一周回ってやっぱり怪しい
もう少し揺さぶれば誰か
「同じクラスの人?」
「さぁ…どう……だろうなー…」
嘘をつくのが下手とか、もうそんなレベルじゃない
まるで発作のように溢れ出る脂汗
これが演技なら逆に天才だ
「前は結婚して名字が変わってたからそっちの方で呼んでたってことだよね?」
「も、黙秘権を行使する…!」
面白いくらい焦り取り乱す
今時ドラマでもそんな台詞吐かないよ
「クラスに居る「か」から始まる名字の人は…加瀬くんと加藤くんと…えーと…」
「秘技!【
私が容疑者を絞り出していると頭の中でゴーンゴーンと大きな鐘の音が響く
五月蝿くて
「ちょ、それ(スキル)は反則だよ!」
「何とでも言うがいい!絶対に特定させる訳にはいかんのだ!!」
必死だ
その一言に尽きる
「さあ諦めろ、もう呪術もかけたから俺が居ないところで考えても無駄だぞ」
「くっ…ここは勇者として諦める訳には…」
「こんなところで勇者としての誇りを持ち出してくるなよ…どうせあんまり興味無いくせに」
「いやぁ…加賀くんがあんまりにも魔王っぽいこと言うから、つい」
普通こんなことまでする必要ある?
同級生に呪いまでかけて…
「自分からネタバレしようとする藤堂が悪い…ジャンプは月曜、サンデーとマガジンは水曜に読むから面白いんだろうが」
「そもそも自分から振ってきた話なのに…なんて自己中な……というかせめて少女漫画に例えてよ」
「まぁまぁ、明日のおやつは藤堂の好きなもんにするからとりあえず落ち着いてくれよ」
私は最初からずっと落ち着いてる
趣味以外の事ならいつも比較的冷静な方だ
「タルト好きだったろ?フルーツでもチーズでも好きなだけ作るからさ」
女の子が全員甘い物に釣られると思ったら大間違いだ
男子のそういう考えは少し気に入らない
だけどまあ…私は冷静だから
これ以上余計な真似をして変な呪いかけられるのも嫌だし…
ここはタルトに免じて穏便に済ませてあげよう
「………チョコレートのやつも」
「承りました」
加賀くんは前払いと言わんばかりにアイテムボックスからチョコレートプリンとモンブランを出してこれでもかと私を甘やかす
スイーツだけに…なんて
私が何でそんなに必死なのかと訊くと加賀くんは「連れの嫁さんに嫌われるのはしんどい」と答えた
そういうものなのか…
そういうものなんだろう…
「これからの活動方針…というか優先事項の話をしていいか?」
私はプリンを頬張りながら頷く
「俺の中でまず最優先なのは藤堂、お前らを元の世界に帰すこと」
「はあ…それはどうも」
加賀くんと言えば仕事だ
それに今の彼には可愛い彼女も居る
それらを差し置いてまで優先する事じゃないと思う
「有難い話ではあるけど別に最優先でなくてもいいんじゃない?」
「…………」
彼は難しい顔で思考を巡らせる
その巡る思考の中に彼女は…金夜さんは少しでも出てきたのだろうか
それともまだ…
「結城さん?」
「ん、まぁアイツも帰したいけどそれは「仕事」より下だぞ」
意外と彼の優先ヒエラルキーの中では低い方だった
「逆に仕事より上な物って現状なんなの?」
「んー…仕事の上はまず家族だろ、その上に金夜だろ、その上に藤堂夫妻だろ…」
指折り数える彼は4つまで指を折っていた
しかし言葉にしたのは3つまで
何かその上にもう1つあるはずだが……気になる
彼の本当の最優先
「自分?」
「んな訳ねーだろ」と軽くあしらわれる
「お金?」
今度は呆れ顔を向けられ少し腹がたった
「詮索するほど大したもんじゃないぞ?」
「そんなはずないね」
私は言い切り、彼は少し面食らう
「………聞きたいなら言うけど…藤堂にはあんま関係無いしな…」
「私の勘が聞けと叫んでる」
彼は諦めたように短く息を吐き、俯きつつ両手で髪をかき上げる
「行きずりの女がどうも忘れられなくてよ…きっと俺はそいつが助けを求めてきたら全部放り投げてでも行っちまう」
「馬鹿な話だろ?」なんて苦笑いを浮かべる彼に「そんなことはない」と返す
「いやでも意外だね」
「なにが?」
「意外と単純というか…衝動的というか…」
誉めたつもりは毛頭無いが加賀くんの苦笑いは喜色に変わり少し嬉しそうに「だいたいそんなもんだろ」と吐き捨てる
「仕事一筋、硬派で売ってたんじゃないの?」
「売ってねーよ…俳優かよ」
何はともあれ、と
句切りをつけるように彼が言うとアイテムボックスから何かを取り出して私に手渡してきた
それは青い石が嵌め込まれたブローチのようなアイテム
「これは詰め込めるだけ術式を付与したブローチだ、死なれたら困るからなるべく装備しといてくれ」
「自分で作ったの?」
「近場じゃ上等な物が手に入らなかったからな」
「へー、加賀くんって色々出来るね…呪いもかけられるし」
少々の嫌味を含みつつ有り難くブローチを受けとる
私だって死にたくはないから生存率が上がるのは素直に嬉しい
「一応魔王を倒すつもりだからな、やれる事は全部やっとくだろ」
「ただの働き者ってわけじゃなかったんだ」
「俺の最優先はお前らを帰す事だって言っただろが、最低でも二人は魔王を倒すために今まで動いてた」
彼の半年を追う事は出来ないが部屋の本棚の一列を見ただけでも少しだけ垣間見る事は出来る
一番多く陳列されているのはこの世界の歴史書
彼は彼なりに情報収集をしていたみたいだ
ということは自分のお店を構えたのも軍資金集めの一環だろうか?
「お店をやってるのも何か関係あるの?」
「それは趣味というか
「あ、そう…」
ブレないな…この男
「でもまぁ変人だけど悪人ではないのはちゃんと伝わったよ」
「余計な事まで伝わっとる…」
私は本棚の本を一冊手に取りパラパラとページを巡る
そんな一瞬では内容まで把握出来ないが所々角が折られてるページがあるのは視認した
「これ暇潰しに貸してくれる?」
「そんな面白いもんじゃないぞ?」
「ただの暇潰しだから何でもいいんだよ、それに加賀くんの努力の痕跡を見るのもまた
「その程度のもんを努力とは言わねえよ」
概ね伝えたい事は言い終わったのか、加賀くんは机の上に視線を戻しまたペンを手にした
私も長居する気はない
本を持ったまま部屋を出ようとドアノブに手をかける
「いい夢みろよ」
最後に言われたのはそんなクサい台詞で、対して私は素っ気なく「おやすみ」とだけ返す
…いい夢
いい夢かぁ…
それは常に見てるよ
私は常に二人の幸せを夢見てる
夢に見るほど願っているけど…
私はやっぱり貴方を信じてあげられない
貴方達は二人で一組
個人の意見は戯れ言にしか聞こえない(内容もぶっ飛んでるし)
それでも決して嫌いというわけじゃないよ
かと言って友達ってわけでもない
加賀くんっぽく言うならビジネスパートナーかな
大事な大事なビジネスパートナー
私にいい夢を見せてくれるビジネスパートナー
自室に戻った私はまず真っ先に金夜さんを後ろから抱き締めた
未だ興奮冷めやらぬ彼女の体温を感じると自然と笑みが溢れてしまう
「花ちゃんは今日も可愛いなあ」
私の可愛いビジネスパートナー
今日もいい夢がみれそうだよ
.
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