▶雪が融けるように、果てますように
ちらちらと舞う
牡丹雪を眺め上げる
手袋のない手のひらに
そっと白い断片をのせて
ゆっくりと融けていく様に
目を凝らした
雪結晶は水滴に
水滴はいずれ透明に
透明はいつか空の果てへ
この身体の内に宿る
真っ黒く重たくなった魂も
いずれは宇宙へいけるのだろうか
いまはまだ
この身体を手放せない臆病者の魂も
いずれは宇宙の果てを目指せるのだろうか
はらはらと落ちてくる
牡丹雪へ両の手を伸ばし
深く広がる夜空を見上げる
このまま空の底へ
落ちてしまっても
いいかもしれない
冷たくかじかむ指先と
真っ赤に染まっているだろう鼻先に
雪の花びらが
舞い降っては、また融けていった
臆病者の果てもどうか、
そんなふうに呆気なく訪れますように
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録(無料)
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます