▶雪が融けるように、果てますように

ちらちらと舞う

牡丹雪を眺め上げる


手袋のない手のひらに

そっと白い断片をのせて

ゆっくりと融けていく様に

目を凝らした


雪結晶は水滴に

水滴はいずれ透明に

透明はいつか空の果てへ


この身体の内に宿る

真っ黒く重たくなった魂も

いずれは宇宙へいけるのだろうか


いまはまだ

この身体を手放せない臆病者の魂も

いずれは宇宙の果てを目指せるのだろうか


はらはらと落ちてくる

牡丹雪へ両の手を伸ばし

深く広がる夜空を見上げる


このまま空の底へ

落ちてしまっても

いいかもしれない


冷たくかじかむ指先と

真っ赤に染まっているだろう鼻先に

雪の花びらが

舞い降っては、また融けていった


臆病者の果てもどうか、

そんなふうに呆気なく訪れますように

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