▶何も残らない

不意に胸を占める

重たいものを感じる


目を閉じて

イヤホンを耳に詰めて

内側に閉じこもる


そうして見つめる

自分の中身は

いつだって空っぽだ


誤魔化しようのない事実に

溺れてしまいそうだ


両手で顔を覆って

指の隙間から覗く

泣いたフリなんて

もう手札にすら数えられない


また目を閉じる

イヤホンから流れる

旋律に耳をかたむける

空っぽの世界に響く


気付けば

重たいものも

花びらのように

どこかへ舞ってしまった

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