▶海底の鯨

鉛の空気に打ち抜かれ

巨大な鯨がひとつ

深い海に沈んでいく


息も途切れ途切れ

沢山の泡が

生まれては消えていく


鯨のからだが海底に

そっと墜ちていく


辿り着いた先には

時など流れない

そこにあるものは

暗い沈黙のみ


そして 鯨は待ち続ける

何を? 何かを

ずっと ただ孤独に

待ち続けている

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