▶夢の中の罪だから

海の底のように

暗い夜の中

街灯の灯りだけが

道標


誰かを殺したい

曖昧で幼稚な殺意は

くだらないほど

オーソドックスな

カッターナイフを

今日も握らせる


息を吐くたびに

昼間の幻影がちらちらと舞っていく


息を吸うたびに

夜中の本性がうつらうつらと揺れる


さあ 今夜は誰を殺そう?

夢の中の一瞬の衝動だけど

殺さずにはいられない


真っ赤な血は見たこともない

量が散っていく

ナイフが抉る肉はきっと

調理実習の手の残像


それでも構わない 構わないから

夜が明けるまで 誰かを犠牲にさせて

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