3ページ目で読むのを辞めた小説

私は本を読むのが好き


でも必ず読むときにすることがあるの


1回目は3ページ目までしか読まないわ

その先は自分で物語を考えて綴っていくの


だってそうすればハッピーエンドで終わらせてあげることができるでしょう?

面白くなかったらそれでおしまい

みんなからは変って言われても私が楽しめているからいいの



不思議の国のあの子だってそう

夢の中での出来事にになんてしないで、すべて実際にあって大きな虫たちや大きくなれるクッキーだってあったっていいじゃない


人魚のお姫様も最後は泡になって消えてしまいましたなんて悲しすぎるわ

王子様と幸せに暮らしていたほうがいいに決まってる



あなただってそうでしょう?



物語は水彩絵の具のようにぽたぽたと1滴ずつ水に落としていって、広がったところから他の色と交わって新しい色が生まれていく

もちろん色が濃すぎたり、混ぜすぎると汚くなってしまったり黒くなってしまうわ


だからきれいな色になるように1回だけ自分の世界を作り上げてから残りを読むの


そこから3ページ以降を読めばいろんなものが混ざって黒くなることもないし私の作った世界も壊されなくて済むわ




これが悪だというのなら他をあたって下さいな

私はこれがいいのだもの




さて、今日も3ページで読むのをやめてしまった小説たちを頂いたカヌレを食べながら読んでいきましょうか。

あのカスタードのように甘い焼き菓子を食べながら小説を読むのがいいのよ




「さぁ、今日は私の世界観を壊してくださる小説に出会えるかしら。」




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