15. 生咲藍
神社でのしうの言葉が頭の中でぐるぐると渦を作り、思考を鈍らせる。
死んでもなお、復讐に取り憑かれるなどそれはあまりにも酷ではないか?
それとも正しく裁かれなかった者たちが正当に罰を受けているだけなら、そのままでも……?
堂々巡りのように最終的にたどり着く二つの答えになにが正解なのかと真っ暗な部屋の天井を仰ぐ。
「あー、わっかんね」
暗闇の中、ベッド脇のサイドテーブルに置かれた電気のリモコンに手を伸ばすと明かりを点ける。目が明かりに慣れず、チカチカと視界が点滅し眩しさに目が眩む。
「俺、間違ってんのかな」
テレビの横に飾られた己に瓜二つの少女が映る写真立てに視線を移す。
「姉さんならどうする?」
答えなど返ってくるわけもなく、ただ静かに永遠と同じ表情で笑いかける姉に苦笑いを零す。
「なんて、返ってくるわけないか」
写真から目を離し瞼を閉じる。日中に見たアレは現実のものだったのだろうか。
鬼
オニ
おに
鬼
ニヤリと鬼が笑う。
黄ばんだが歯が、裂けた唇が、ギラギラと光る目が、独特のヒヤリと全身を舐めるように漂う冷気が、鮮明に思い起こすことができればハッと飛び起きる。
たった数秒、目を閉じていただけなのに気持ちの悪い脂汗が額を伝う。
「俺はどうしたいんだろ」
再び瞼を閉じ、
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