第一章 塩と砂糖
第1話 高峰優雅
俺、高峰優雅は色鄕高校二年一組に所属する生徒だ。
自由な校風が特徴の進学校で制服の着崩しや髪型、髪色はある程度自由を尊重された高校だ。そのことから周りの生徒は染髪やピアス、化粧なんかは当たり前。校則等は生徒に任せられているところが多く自分で自分の「したい」を選べる謂わば、自主性を育てる学校である。
自分で決めたことから失敗すれば納得できるし、成功したら自分の好きにできるモットーがこの色郷高校だ。そのことから見た目で判断しないことがこの高校に入った一番の理由になる。
見た目で判断されない。つまり中身で勝負が出来ると言い換えることができる。それが俺にとって重要な判断材料だと言うことだ。
だが、入学早々にその校風に裏切られ、悲惨な一年を過ごすことになる。それでもなんとか耐え抜いて学校生活を送り切った。
そしてこの春、進級して新たな学校生活を送るはずだった俺だが、新学期早々にピンチを迎えていた。結局、耐え抜こうと俺の悲惨な運命は変わることはない。校舎の廊下で三年生の先輩に目を付けられたのだ。俺は三人の体格が良い男たちに囲まれていた。着崩した制服にシルバーのアクセサリーがチラチラと目に付くところから明らかに威圧を与えている見た目だ。だが、その見た目もこの高校だから許されるところであり、普通の高校なら間違いなく指導レベルである。見た目で判断するなと言うが、そうも言ってられない。自由な校風を逆手に取った悪行と言える。
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