従魔と行く、神々の試練~何れ訪れる厄災を添えて~

智之助

第1話 好奇心に負けた結果

□主人公



〈初めてダンジョンに踏み込みました。クエスト履歴を検索中……確認しました〉

〈クエスト[初めての冒険]をクリアしました〉

〈報酬:一レベル分の経験値、パッシブスキルのランダム習得、称号<始まりの冒険者>の獲得〉

〈レベルが上がりました〉

〈初めてダンジョンでのレベルアップを確認しました〉

〈クエスト履歴を検索中……確認しました〉

〈クエスト[初めてのレベルアップ]をクリアしました〉

〈報酬:スキル≪鑑定≫の習得、初心者スキルチケットの獲得〉



――――――――――――――――――

<ステータス>

<名前>:「神付かみつき従月じゅうげつ

<称号>:『始まりの冒険者』

<種族>:[人間]

<職業>:[無職:Lv1]

<スキル>

[ユニーク]:≪≫

[所持スキル]

戦闘系:≪連携強化Lv1≫

生産系:≪≫

特殊系:≪鑑定Lv1≫

<魔法>:【】

――――――――――――――――――



「……は?」


 よお!ブラザー、元気か?俺は今、混乱の極みに達しています。


 俺、神付従月は、朝の日課の運動をするために庭に出ると、大きな穴が開いていた。

 不思議に思いながらも好奇心を抑えきれずに穴の中に入ってみると、そこは広い洞窟だった。

 

 そしていきなりコミカルな音楽が流れたと思ったら、目の前にウィンドウがでで今にいたる。

 まあ、ぶっちゃけオタクしていれば何が起きたかは想像がつく。


 これあれでしょ?現代にダンジョンができる奴。

 

 問題は、どのダンジョン物か。

 今まで読んできたダンジョン物から予測するに、三つのタイプがあると思う。


 一つ、ダンジョンだけできてモンスターがダンジョンから出てこないタイプ。


 二つ、ダンジョンができてモンスターもそこら辺に湧いてくるタイプ。


 三つ、人がダンジョンのボス、所謂ダンジョンマスターになって好き勝手するタイプ。


 一つ目のタイプは、比較的多分適応しやすいとは思う。俺的にはこっちの方がありがたい。

 

 二つ目のタイプは、一番ヤバイと思う。

 そこら辺にモンスターが湧き、人々は混乱し、適応までに時間がかかり無法地帯が生まれる。まあ、推測でしかないが。

 

 三つ目のタイプは、あんまり見たことないからよく分からないが、まあ一つ目と比べるとやばいと思う。


 て何言ってんだ、俺?

 やっぱ、いっぺんに色々と起こりすぎて混乱してんのな。


 自身が正常とは言いがたいことを自覚しながらも好奇心に勝てなかったので、とりあえずいつの間にか手に持っていたこの気になるスキルチケットを確認してみよう。



――――――――――――――――――

《初心者スキルチケット》

:このチケットを使うと、最初の冒険に役立つスキルが手に入る。

鑑定することで、どのスキルが習得できるかが分かる。

――――――――――――――――――



 ふむ、鑑定ってどう使えばいいんだ?スキルだから声に出せばいいのかな?まあやってみるか。


「≪鑑定≫!」



――――――――――――――――――

≪初心者スキルチケット≫

:このチケットを使うと、最初の冒険に役立つスキルがランダムで手に入る。

鑑定することで、どのスキルが習得できるかが分かる。


このチケットで習得できるスキル

:≪隠密≫≪身体強化≫≪付与≫≪気配察知≫≪投擲≫

――――――――――――――――――



 おお! これは、本当にゲームみたいだな! 楽しくなってきた。

 

 しかし、ランダムか。どれぐらい効果があるかわからないが、できれば≪身体強化≫が欲しいところ。

 元の力が弱いからな。もしモンスターが出てきた時に、戦うにしても逃げるにしても身体能力が高くて困ることはないだろう。


「さて、どうやって使うんだ? 破けばいいのか?」


 よく見ると、チケットに切り取り線みたいなのが入っていたので、それをなぞるように破いてみた。すると――。


〈スキルチケットの使用を確認しました〉

〈スキル≪付与≫を習得しました〉

〈クエスト履歴を検索中……確認しました〉

〈クエスト[初めてのスキルチケット]をクリアしました〉

〈報酬:スキル≪小さな運≫の習得、一レベル分の経験値〉

〈レベルが上がりました〉


 おおう、また情報量が多いな。ステータスとまとめて確認するか。


――――――――――――――――――

<ステータス>

<名前>:「神付かみつき従月じゅうげつ

<称号>:『始まりの冒険者』

<種族>:[人間]

<職業>:[無職:Lv1]

<スキル>

[ユニーク]:≪≫

[所持スキル]

戦闘系:≪連携強化Lv1≫≪付与Lv1≫

生産系:≪≫

特殊系:≪鑑定Lv1≫≪小さな運Lv1≫

<魔法>:【】

――――――――――――――――――


――――――――――――――――――

<称号>

『始まりの冒険者』

:初めてダンジョンに踏み込んだ者に与えられる。――それは、全ての始まりを知るために。

[効果]

:スキルの効果が少し上がる。


<スキル>

≪鑑定≫

:武具やアイテムの効果が分かる様になる。生き物には使用できない。レベルが上がる事によって項目が増える。


≪付与≫

:物に一定時間、力を与えることができる。レベルが上がる事によって効果が増える。

付与可能リスト

:≪付与・耐久力アップ≫≪付与・威力アップ≫


≪連携強化≫

:仲間との連携が取りやすくなる。連携が上手くいくとバフが掛かる。レベルが上がる事によってバフの効果が上がる。


≪小さな運≫

:運が少し良くなる。レベルが上がる事によって運が上がる。

――――――――――――――――――



 ……成る程ね。

 ≪鑑定≫は定番だから大体分かる。

 ≪付与≫で武器を強化すれば力が無くても戦えそう。

 ≪連携強化≫は…まあ、うん。ボッチには要らんスキルだな。

 ≪小さな運≫これは普通に運が良くなる。

 

 戦いで使えそうなのは、今のところ≪付与≫だけ。しかも武器が必要となると……うん、撤収!また装備整えて来るわ!



::::::::::::::::::::



 ダンジョンから出ると夕方だった。次の探索に備えて、今日はもう休もうかな。


「ワォン!」

「うわっ、凛狼!脅かすなよ」


 ビックリした……っと、忘れてた。

 

 この子の名前は凛狼りろう。俺が飼っているペットの一匹だ。種族は狼犬。

 この子は、山に探検に行ったときに倒れてたところを保護して以来、家の番犬になった。性別はメスだ。


「クゥン……」

「……あっ、散歩忘れてた」


 悲しそうな顔をしてるので、どうしたのかと慌てるが口に加えるリードを見て冷や汗が流れる。

 何たる不覚! 愛する家族との用事を忘れるなんてっ! いや、今から行けば晩飯までには間に合うか。

 ついでにちょっと寄り道してホームセンターで武器になりそうなものを買っていくか。


「よし!散歩行くか」

「ワオォン!」


 おお~よしよし、かわいいやつめ! そう思いながら全体を撫でまわす。

 明日から、ダンジョン探索だ!



::::::::::::::::::::



『たった今、政府から発表がありました!ええー今回、突如として現れた謎の建物及び洞窟などは、調査の結果、未知の生き物が生息しており、とても危険な状況となっており、民間人の立ち入りは禁止。見つけ次第、警察又は市役所などに電話をしてください。また、この未知の建物及び洞窟などは、と呼ばれる物との事です。』


  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る