背中にキス
成瀬 慶
第1話 幼馴染み
真緒とは家が隣同士だ
小・中・高と同じ学校に通う
昔は一緒に遊んでいた
真緒には二つ上の兄貴がいて
あいつは負けず嫌いで
兄に負けまいと、男勝りに育ったから
サッカー
野球
鬼ごっこ
缶蹴り
他の女子が
綺麗なお人形遊びをしている中
真緒だけは、俺たちと泥んこになって遊んでいた
夏休みは毎日のように
みんなで市民プールに行っていた
俺たちは
ジュース代と水泳バッグをもって
家を飛び出した
ある日
真緒が来なかった
真緒の家のドアの前で
待ってたけど
お母さんが出てきて
「ごめんね・・・真央ね
体調がよくないのよ」
小学5年生の夏だった
それから
しばらく
真緒の姿を見なかった
それくらいからかな・・・
真緒は俺たちと遊ばなくなった
中学に上がると
俺は驚いた
だって
真緒がセーラー服姿だから
ちょっと笑ったからかな?
それから
ほとんど口も利かなくなった
あんなに仲が良かったのに
挨拶すらしなくなった
”そのくらい気にすんなよ
珍しかったからさ
お前がスカートなんてさ
お前が
ちょっとだけ
かわいかったから
照れてしまったんだよ”
そんな本音を言えるほど
俺自身も大人ではなく
真緒を怒らせたまま
時が過ぎた
中三終わりごろ
真緒は、髪の毛を伸ばし始めて
今までよりも女子力を上げてきた
一緒に遊んでいた仲間だって
「真緒ってさけっこう可愛いな
一緒にいたころは
真っ黒で
ショートカットだったから
男だったのにな」
なんて今頃、見つけたりするから
俺はつんとした顔で
「そうか?」
と強がって見せた
俺だって思っていた
ずっと前から
真緒が可愛いことは
仲間の誰よりも先に
気が付いていたんだ!!
お前らおせーよ!!
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