第60話 スーパーアメージング超絶「 」

中間テストが終わると席替えが始まる。テストの時は同じ並びなんだけど嫌いなテストが終われば元通り。はわぁ。会話はなくても一番視線を感じる変態なのか君は。朝から皆席替え席替えうるさいな。友達と席が離れてたら席替えしたいんだろうけど私に関係なしだし名前と顔が一致してないんですが。まだクラスメイトの名前も覚えていない座敷童が一名。プリント回すために後ろ向いたとき目が合う瞬間とかめっちゃ尊かったのに。一人でいても誰かといても尊さは半減しないから若いって最高だね。絵を描くことに再びハマり始めルーズリーフを大量に消費する。結月みたいな子は推しじゃないからあんまり描かないんだけど。席替えと言えばあみだくじである。一番揉めない平和的解決法があれ。くじ引きでもいいがあまり用いられる手法ではない。成績順だと毎回同じ席になってしまう。どれでも代わり映えしない毎日が続く。同じお寿司が回ってくるみたいに。飲茶のテーブルの方がいい一杯食べるぞ。土日に何食べようかもう考え始めてる。コスパがいいものを食べたいななんて思ってたらプリントが1枚足りなかったから貰ってきた。結月は一瞬しまったという顔して「ごめん」するけど私の方が気がきいてるみたいに見えるからちゃらにしてあげる。結月の一番好きな食べ物恵んでくれたらそれでいいよ。結局食べ物に釣られるたちだから胃袋を掴んだひとがゲットできるという噂にあやかってみてもいいんじゃない。何があってもご飯だけは食べに帰る。あみだくじの線が引かれた紙が休み時間に回ってきた。自分で名前を書いて回す。運が良ければいい子にしてれば願うままにいい場所に座れるはず。お互いに恋人を演じる役割が違ったのかもしれない。スープカレーが給食にあったなあれ食べたい。濃い味付けはわかりやすく美味しいけどあんまり食べ続けると胃かどこかに悪い。おだててみてもそっぽを向かれる。どこまで薄く広げたら恋してもらえるんだ。気づいたら何気ない仕草や線の細さにやられてしまってどちらが先かなんて関係なくなる。告白が順番待ちなら人気店でも行列作ってても最後尾には絶対並ぶから。紙に名前を書いて回した私の横には誰が名前書くんだろう。「席前は嫌だな」前ならよそ見できないから寝られないね残念。先生の話が良く聞こえるし好きな曲がかかったら一番聴こえる席ですね。美味しかったらまた食べに行かせてね。気が向いたらあなたの作ったご飯が食べたいよ。

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