第51話 錯角

数学の図形に錯角や対頂角がある。バレーボールの位置も対角だ。同位角とかいうのもあったな。錯角は鏡越しに反転するような一組の角です。図形は苦手だ。全部嫌いだけど特に嫌。図が多くてめんどくさいのだ。字を読む方が好きだから。私はあなたを錯角だと錯覚してるのかもしれない。私とまるで反対に見える。錯角や同位角と違い対頂角は角度が必ず等しくなる。同じ位置にいてもだめ、鏡合わせでもだめならどこに背中を預けて君と向き合えばいいだろう。背中をとられるのは死を意味する中二病とかじゃなくて真面目に言ってる。数学の時間生き生きしだす結月を軽く睨む佳乃を第三者が面白そうに見ていた。佳乃は目が悪いのでちゃんと見ようとするとどうしても睨んでるみたいになってしまう。左右の視力が違うからいい方の目に負担をかけてしまう。足してもとめる角度なら計算するペンを取り上げて別なものに書き換えてみせよう。それでも首を振る。寸分の違いも許さないとばかりに君は私を拒んだ。これはテストじゃないんだから真面目に答えを出さなくてもいいのに。正しい角度とかないって推しも歌ってるし。私が好きな推しなんだから間違いないわ。背中押してもらわなくてもわかるんじゃないの。都合がいい関係にならならないから。手を離す方を選んじゃってもいいですか。他人に戻ろうと思ったら戻れなくもないんだし。先生に当てられて正解を黒板に書いた。気に入られてるなぁ。私は彼氏に似てる君が嫌いだ。二人とも数学できるから似てる。表情をあまり変えないところも。他の人が笑うところで笑わないところまで。ころころ表情変えてる私のほうが馬鹿みたいじゃないか。金太郎飴みたいにどこ切っても同じ気持ちしかでてこないんだけど。ああ別れたいけど意味がない。君がうんと言ってくれなければ何をしたって無駄なんだ。他の人の方をみてもっと楽しそうにしなよ。どうせこの感情も脳が見せてる幻なんですし。割り切れない感情は捨ててしまおう。私は数学できないから逆に当てられるよ。嫌だなぁ。小学校の時はまだ算数できたんだよ。方程式あたりからオタがやばなってきてあほになってしまった。毎日本読んで毎週アニメみて音楽聴いてたら勉強できんなるわ。一応数学の動画とかは見てたんだけどね。応用をやる気にはならなくて。文系馬鹿って名前を使ってたのはそのため。しかもとあるで百合を見慣れてしまって感覚がおかしくなってる。コインはじくところがかっこいいですわお姉さま。

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