第37話 カップの中

ご飯食べる前までは変な妄想してても食べ終われば何も思ってなかったみたいだ。あの子のことがそういう意味で好きってわけでもないけど。私はカップに入ったお湯を飲み干した。油のついたお皿を流しにもっていき炊飯器のスイッチを押す。お湯をお皿に注いでおけば汚れは取れるだろう。忘れる前に宿題やっておこう。必要ない科目は答えをうつして漢字は検索しながら書いた。普通に時間がかかるので音楽を流している。カップの底に映った顔は浮かない顔をしていた。こんな顔学校じゃ見せられない。何が私をこんな顔にさせてるのか探りを入れられてしまう。あの子にまで噂が広まるに違いない。私は遊んでるわけじゃないんだけど。男がいればそう思われても仕方ないのかも。いつでも自分で選んできたんだしどう思われようが間違いはないんだからずっと近くで見ていたい真っ黒い霧がもやもやしてるような君の心を晴らしてみたい。好きな人のために役に立ちたいと思うのは誰だって同じだと思う。お弁当残さずに食べて欲しいのに私の前でいちいち捨てたとか言わないで。私を傷つけてどうしたいんだ。どこまでやっても許されるか試してる。普通は怒るかもしれないギリギリのことしちゃだめ。私より優しい人だってこのクラスにもいるわよ。なのに何で私で試すの。恋人がするとされていることを順番に事務的に終えてしまったら何も残らなかった。彼氏はそれで満足してるみたいだけどロマンスが好きな私には物足りないわ。流石に純潔を失くすような退学もののことはしてないんですが。信じてくれないかもしれないからわざわざ言わない方が良かったね。知りたくないんでしょう。優しい言葉が欲しいの私では思いつかないような言葉や言えない言葉で会えない時間を埋めてください。触るくらいなら誰だってできちゃうよ。他の誰よりもあなたじゃないとだめだって思わせてくれないならそれまでのことだろう。私は何も悪いことしてない嫌いになろうともしてなかったの。ただ友達ってどんなものか思いだしたら少しは比べてみたりしちゃってがっかりしたわそれなりに。見返りなんて無いも同然の友達が言ってくれることさえ言えないとか気が利いてないにもほどがある。全然努力してくれないなら期待をするだけ無駄だって思うよ。頭悪くても良いところ見つかればよかったんだけど。このカップには自分の顔しか映らない。白いカップにはありのままが映ってしまうみたい。喧嘩するくらいなら無かったことにして。

  • Twitterで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る