第33話 3番目の予感 2

日本人はとにかく3が好きだ。縁起をかつぐと決まって3が出る。3がにち3万円少ない額なら出しやすい。4は死を連想するから不吉だと言われるが海外ではラッキーなんじゃなかったか。3番目の妻は料理しなくていいから楽です。多重婚禁止の国で言っても意味ないけど。なんかおもしろそうだから全部ありということにしませんか。どさくさに紛れてロリショタ以外法で安全を保証しよう。ロリショタの婚姻はちょっとやばいから。聖バレンティヌスよ今こそ目覚めるときだ。さぁ世界中の百合に幸せな結婚を。私は百合の子のフェアリーゴッドマザーになるからいいよ。2番目の彼女ときくと同情するが3番目と聞いたら眉が動く。絶対別れが多い人は自分の方に問題がある。名付け親ってさシンデレラのガラスの靴履かせる係よりよくない?何回も自分の考えた最強の名前で呼ばれるんだぜ?見よ、男ども羨ましいだろう。この可愛い娘は私の萌える名前が付けられてるんだぞ。しかも私が名前決めた。実質母じゃん。可愛くなぁれ、萌え萌えきゅん。大きくなったらおばさんとかきもいとか言われるんだろうな。女子は口が悪いから。一番恥ずかしいのは自分と同じ名前をつけられることだ。私なら飼い猫に親友の名前をつけるのは余裕だけど猫より長生き確定の人の子にはつけにくい。会ったとききまずくなる。「ゆづにゃん」猫じゃらしを持ってでれでれと締まりのない顔で猫に迫る私ははっきり言ってきもかった。猫はだいたいわかってるから一回名前決めたらもうアウトだと思う。あかんわこれ。ゆづにゃんが永遠リピート入りしてる。猫って柄じゃなさそうなのにどうしてこうなる。振り向かせてみたいけど私には3番目くらいが丁度いい位置だ。いつでも動けるからどこにでも行ける。引っ張られないし、追いかけられない。都合のいい数字だ。3が可愛く見えてきたので萌え文化はやばいと実感する。今朝ホームルームのとき寝ぼけて佳乃は横の席の結月をみるなり「ゆづ・・・にゃん」と言ってしまった。ぎりぎりセーフなのかアウトか、アウト寄りのセーフか誰か判定ください。朝だったので寝ぼけてたんだよーですませていい話なのだろうか。その時、確かに私は見た。結月の猫耳がぴくりと動くところを。結月はかなり動揺していた。可愛いと言われなれていないため文句の一つも言えないのだ。そういった背景があったおかげで休み時間呼び出されることもなく本日も晴天のまま放課後になった。

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