第12話 矛と盾 2
昔どんな矛でも突き通せない盾があったらしい。私はそんなもの存在しておらず何かの喩え話だとおもっている。例えばとんでもないツンデレがいてそのツンデレを好ましいと思う一人の人間がいたとする。たぶんツンデレは拗らせすぎてるので盾が相当やばい。恋は盲目なのでツンデレが振り向いてくれないのは自分が悪いと思い込むことで最強の矛が誕生する。ツンデレ美人を振り向かせるためチートも辞さない構えのイケメンに騙されて終了。お疲れ様でした。それ一人芝居だよ。言っとくけど私はツンデレじゃないからな。デレたりしないぞ。媚は売るけど。きゃあわたくしの為だけにそんなに頑張ってくださるなんて惚れてしまいますわ。とか誰が言うんだよ今どき。努力するのは当たり前。人に好かれようとして力みすぎるのは何か違うんじゃないか。そんなことを考えながら門をくぐると8時15分だった。朝ドラマを見てないからちゃんと間に合った。やればできる子。私は朝ドラマを見るのにハマっていたせいで遅刻常習犯だった。録画しないし昼か夜中にしか再放送がないから仕方ない。歴史や伝記が好きな子どもにとりあのドラマはいい出来だった。難しすぎず情報が少なすぎることもない。程よく脚色されている。私の頭が故事成語だったのは国語の教科書を読み込んできたからだ。普段はもっと馬鹿っぽいことを考えている。何食べるか誰と誰がくっついたら嬉しいかなど。意外に佳乃も女子高生だったらしい。この見た目で老成してたらきもいだけだ。授業が始まる前優等生だったオタクは毎年恒例の教科書の儀式を行わずにはいられなかった。先生が合格の報告の向こうで残念がってたが百合っぽくなられたらいやなのだろうか。たぶんもっと本気出して欲しかったなさては。嫌だ。誰のために勉強するんだ。誰も私の能力を捧げるに相応しい供物を持ってこないじゃん。あったら逆にびびるけど。どんなおもしろい本だよそれ。私は眼鏡をかけるとほとんどの人と同じように3割減でダサく見える。しかもオタか学級委員感が増すのだ。勉強しなくても好きなら勝手に身に付くものだ。それが出来たら苦労しないよと言われるとぐうの音もでないけど。とにかく何でもやるしかないのに私から声をかけるのは絶対に無理だ。ずっとひっついてる羽目になるのは避けたい。「青井さん」「はい」知らないフリをする。「一緒に弁当食べよう?」それってほぼ強制ですよね何で私なんですかぁ。君らには嫌われたくないのよ。分かって。
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