第10話 タイムマシン

【タイムマシン】

「2XXX年から来ました」

彼はそう言った


私は大日本帝国の憲兵である

怪しい身なりをしていた彼を逮捕して尋問している

過去の日本にやって来たと言う彼は

後世まで十字架を背負うことになる太平洋戦争を止めに来たと言う

我々は日本が敗戦する事や戦争犯罪の罪で中国や韓国、アジア諸国に

頭が上がらない状況になると言う未来を伝えに来たと


彼は携帯型のBDプレーヤーなるものを取り出し

我々に見せた

そこで映し出された未来の日本

我々は半信半疑だった

このあと起こる米軍による大空襲や原爆投下

そして戦後のめまぐるしい発展と共に失われていく古き良き日本の姿


彼の開発したタイムマシンは過去や未来に物資を転送し

時間がくれば元の時代に戻る


最後に彼は我々にこう言い残した


「未来の日本人はあなた方を誇りに思ってます・・・」

どこか物哀しげに我々の前から姿を消した


この事を上層部に告げたが信じては貰えなかった

私は彼を信じよう・・・


何故なら彼が首から下げていたロケットは

私が作り妻にプレゼントした物だったから

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る