第7話 最後の人類

【最後の人類】

とある町にその青年は住んでいた

青年は普通のサラリーマンで妻子もいる

ある日青年は妻に旅行に行こうと言いだした

妻はありとあらゆる理由を並べたてその計画を阻止する

青年は生まれてから今日までこの町を出た事がなかった・・・


出られないのだ


彼は最後の人類

地球で核戦争が起きて人類は滅亡した・・・彼を除いては

彼はその日たまたま自宅の地下室にいて難を逃れたのだ

我々は地球からはるか彼方の惑星からやってきて

残された彼の為に

放射能で汚染された地球に巨大ドームを建設し彼の住んでいた町を作り

人間そっくりのロボットを住まわせた

彼が好きなサッカー中継は

人間そっくりのロボット同士の試合で観客もすべてロボット

彼が見ているテレビの芸能人も人型ロボットで

彼の為にありとあらゆる物を作り上げた

日々のテレビから流れるニュースや音楽・映画などは

以前から地球を研究していた我々が用意した

彼の妻も子供も我々が作ったロボット


彼の住む町の外は何も無い荒れ果てた土地が広がっている

彼が意識を回復した時は彼の周りには普段の日常が変わり映えなくあった

やがて彼に真実を述べる時が来るだろう

その時は彼は事実に耐えられるだろうか 


えっその青年は誰かって?

この小説を読んでいるあなたかもしれないですよ?

あるいはこの私か・・・


あなたは今住んでいる町や国から出た事がありますか?

あなたがテレビや雑誌などからしか他の街や外国の情報を得てないとしたら

我々異星人がそれらの情報を提供しているとしたら

この世界が全て作り物だとしたら・・・

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