第五話 開戦

「今日のニュースです。アメリカとイギリスが共同で、国連に日本を訴える事を申請し、三日後の緊急総会で、話し合うことが認められ、場合によっては、経済制裁をされる可能性があることが分かりました。自民党の山岡総理大臣は今夜会見し、今後について話すとみられています」

家でこのニュースを見ていた僕は、ショックの余り、何も感じていなかった。僕があのゲームをしてしまったせいで、世界を混乱の渦に巻き込んでしまった。ゲーム機を起動すれば、あのゲームが始まる。だから何もできない。せめて、電源を切っておこう。そう思った僕は、自分の部屋にいき、ゲーム機を取り出した。その瞬間、ゲームが始まってしまった。

「嘘だろ?もうこれ以上、なにもしたくないのに。」

もう手遅れだった。操作する事は出来ず、ただただ見るだけだった。そして、次の瞬間、とんでもない事が起きた。ゲームの中に僕がいた。僕は「国連」の前に立っていて、爆弾を持っていた。次の瞬間、僕はその爆弾を投げ入れ走り出した。国連は大きな音とともに爆発した。周辺にいた人は、悲鳴をあげ、通報する人、僕の事を写真でとる人、爆発した国連を動画でとる人様々だ。そこでゲームが終わった。僕は、もうもぬけの殻のようになっていた。夜寝ているとき、あのゲームで起きたことを夢で見た。全く同じだった。国連が爆発した瞬間僕は起きた。顔は涙でグショグショになっていた。テレビの前にいくと、

「今日のニュースです。とんでもない事がおきました。何と、国連が爆破された模様で犯人は日本人の少年だとみられ、身元の確認が進んでいます。この事件で、国連周辺に住んでいた、少なくとも数百人が死亡。数千人が重軽傷を負いました。この事件をうけ、国連で行う予定だった緊急総会をアメリカの国会議事堂で行う事が決定しました。では、ここで現地の原島さんと中継が繋がっています。原島さん。」

僕はもう、何も感じなかった。そして、ゲーム機はどんどん暴走するのであった...

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