第14話 キラキラ☆プリキュアアラモード(2017年)

■ストーリー概要

 スイーツ大好き中学2年生の”宇佐美いちか”が、ショートケーキを作ろうと苦戦していると、空から妖精のペコリンが現れて、ケーキを膨らませるコツを教えてくれる。だが、そこにスイーツに宿るパワー”キラキラル”を奪いに”ノワール”の手下の悪い妖精が現れる。その時、ぺコリンの力で、いちかの作った”うさぎショートケーキ”が変身アイテムとなり、いちかは”キュアホイップ”へと変身して街を守る。

 いちかはスイーツ好きの仲間といっしょに、スイーツショップ「キラキラパティスリー(キラパティ)」を開き、伝説のパティシエを目指しつつ、ノワールの野望を打ち砕くためにプリキュアとなって戦う。


■作品紹介

 本作のテーマは「パティシエ」です。実写の料理シーンが作中に現れたり、本編終了後にエピソードに登場したスイーツを作るクッキングコーナーもあります。

 一見、色モノに見える本作ですが、とても完成度の高い作品で、最近のプリキュアの中で個人的にイチ押しの作品です。


 プリキュアに変身するのは、中学生三人と、高校生二人、そして、妖精の6名と大所帯ですが、各エピソードごとに焦点を当てるキャラが明確で、さらに焦点を当てるキャラを一話ごとにローテーションさせているため、マンネリ感を排除した飽きのこない構成となっています。

 プリキュア5、スマイルも同様の構成であり、エピソードごとに中心となるキャラを明確にすることは、一年間と長丁場の作品では視聴者を飽きさせないとても効果的な方法だと思います。


 さらに、プリキュアの構成メンバーに高校生を加えることで、バトルシーンでの戦闘力の強弱も自然に付き、高校生なりのエピソードを入れることで、ストーリーに広がりを持たせることに成功しています。この高校生キャラのできがとてもよく、一人は妖艶なお姉さん、もう一人はイケメンのお兄さん(のようなお姉さん)と、今までのプリキュアシリーズにはいなかったキャラクターです。制作サイドは、子どもと一緒に見ている親御さん(というか大きなお友達)を狙ったようですが、放映が始まると幼児たちに大人気となり、バトルものでは”強さが正義”ということを如実に表しています。


 動物とスイーツを融合させた完成度の高いプリキュアのデザインや、単色でなく多色のプリキュア(虹キュア)の登場、徒手空拳の直接攻撃を封印してクリームやスイーツを出して戦う戦闘シーン、毎回クライマックスで流れるキャラソンなど、演出面でも斬新な試みがなされています。特に、本作以後、虹キュアは定番となりました。


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