第11話
今日はなんとなく学校に行く気がしない
それは寝坊したからではない
急いで行けば1限には十分間に合う
と言っても大抵サボっているのだが…
授業に出たくないとかそういう類いのものではない
学校そのものに行きたくない
1人で延々と喋ってるうるさいじじぃにも
人の話を聞かないかずきにも
俺のことを見てキャーキャー騒ぐおんなどもにも会いたくない
いつもの屋上にも行きたくない
本当は今着ている制服だって脱ぎ捨てたいぐらいだ
だが流石にそれは困る
とりあえず朝飯を食おう
いつものコンビニが見えてきた
しかし今日はこのコンビニの気分ではない
遠くたっていい
今日はいつもと違うことをしたい気分だ
30分程歩いただろうか
ふと目をやった方にコンビニがあった
「ここでいいか…」
そうして店内に入ると
そこには"あいつ"がいた
なんでここにいるんだ
すぐそこで聞こえるはずの店員の「いらっしゃいませ〜」という声もやたら遠く聞こえた
そんなことを考えているうちに目があってしまった
「あ〜!!」
そいつはにっこにこの笑顔で駆け寄ってきた
そして俺にこういうのだ
「おはよっ!!」
こういう純粋そうで眩しいやつは苦手だ
まだ俺の中学時代のあいつらのほうが単純で楽だった
まぁあんなやつらには二度と会いたくない
考えただけで反吐がでる
ぐぅ…
その時俺の空気の読めない腹が間抜けな音を出してなった
「まだご飯食べてないの??それならさ僕んちおいでよ」
なんでそうなるなんでそうなるなんでそうなる
こいつの思考回路がわからない
とりあえず断ろう
そうだ断ればいいだけの話だ
ぐぅぅぅ…
そう思った瞬間また腹がなった
さっきよりも盛大に
「ほら〜早く行くよ〜」
はぁ…どうしてこう間が悪いのだろう
こんなにも自分の腹を恨んだのは初めてだ
そうこうしているうちにあいつはレジで会計を終え、俺の手を引っ張りながら店を出た
「ありがとうございました〜…」
戸惑い気味な店員の声を聞きながら
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