第3話
休み時間
本当は来たくなかったがいつかどうせ捕まる
そう思いかずきに言われたとおり
松坂Tのところへ来たわけだが…
「八雲今日も遅刻じゃないか!!
SHRもあれだけ出ろと言ったのに…
その後の1,2限も出なかったらしいじゃないか
いつもいつも一体どこで油売ってるんだ!!
お前中学のときはいたって真面目だったそうじゃないか
いつこんなふうになってしまったんだ…
全く…もったいないったら
お前のような頭のいい生徒ならわかるだろう
こんなことすべきではないと
早く目を覚ませ
今のお前は本当の八雲ではない
お前ならわかるだろう??」
「もう話は終わりましたか??」
「いやまだ終わっとら…」
「では失礼します」
「おいお前…!!」
ガラガラ ピッシャーン
「話がなげぇ…」
放っておいたら一日中でも話してるんじゃないかというぐらいよく喋る
俺は8割方聞いてないってのに
『今のお前は本当の八雲ではない』
本当の俺ってなんだよ
なんでお前にそんなもんわかるんだ
そうだよこれは本当の俺じゃねぇ
だけどどこを探したって本当の俺なんていねぇ
だって俺自身が俺を見失ったから
そもそも俺ってなんだ
誰か教えてくれよ…
本当の俺を見つけ出してくれよ…
「はぁぁぁぁぁ…」
でかいため息をつきながら俺は廊下で座り込んでしまった
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