第6話

「はい。うけたまわりました。あの、トッピングは?」

 店員さん、そいつは野暮やぼってもんですよ。

「あ、いえ。チキンカレー特盛りだけでお願いします」

「かしこまりました」

 インド風もイギリス風も食べた。なんなら東南アジアのカレーもインドとチベットの中間辺りにあるネパールカレーも頬張ほおばったよね。

 日本に住んでいれば色々な国の様々な調合の素晴らしく美味しい見知らぬ美味しさに出会える。

 でも、日本風のカレーが自分としては一番、しっくりとくる。米によし、麺によし、パンに包んで揚げてよし。まっことカレーは美味しい。

 具財は無限だけれど、肉が良い。煮込んだ筋肉、あらぶるひき肉、クセがある肉だって全部包み込んでくれるものだ。なんならさばでもよいし納豆、もよい。なにせインドのデリーにはダールだいずカリーもあるんだし。

「お待たせいたしました」

 テーブルに届けられたのは素っ気無いチキンカレー。平和な米の丘を侵略する液体まみれのチキンをスプーンで迎え撃つというお昼の重要任務。

「いただきます」

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