異世界召喚されたら銀髪ロリ美少女になった。

土田一八

第1話 異世界召喚。まさかの失敗?そして放逐。

 俺はベッドで寝ていた。だが、何だかいつもと違う気がするが、まぶたがやけに重く開ける気が全く湧いてこない。そのまま意識が遠のいて寝落ちした。


 …。


 ……。


 ………。


 部屋に魔法陣が突如として現れ、男と刀袋に収められた日本刀、そして男が愛用していたパワーストーンのブレスレットが魔法陣の中に飲み込まれて消えて行った。



 スロキナ王国プレシュポレク城。北東にある尖塔。

「そろそろ現れそうね」

 黒いマントを被った女が言う。

「はい」

 それに応えた金髪の少女はワインレッドのズボンを履きロイヤルブルーの軍服を着ている。それから間もなく魔法陣から黄色い光が放たれる。

「いよいよね」

「……」

 黒マントの女はワクワクして軍服姿の少女に話しかけるが少女は緊張で押し黙っている。そして、魔法陣から中年男性ときらびやかな細長い布袋、ブレスレットが現れて台の上に寝かされる。

「男性ですか?」

 少女は思っていた結果とならなかった事を口にした。

「女体化すればいいんじゃない?」

 黒マントの女は少女を宥める。

「はい……分かりました…それもそうですね」

「うん」

 黒マントの女は笑顔を見せた。


 それから二人は男の衣服を剝いで全裸にする。

「あら。ちょっと、カワイイわね♡」

「そ、そうなんですか?」

 黒マントの女はクスクス笑うが、少女の顔は真っ赤だ。

(初めて見た//////)

「ちょっと勃たせてみるか」

 黒マントの女はフックのような器具を魔法で取り出すと男の肛門に挿入して何かを探っている。少女は手で真っ赤な顔を隠しているが、指の間からまじまじと成り行きを見つめる。

「よし、これだ‼」

 黒マントの女は器具をクイと優しくゆっくり少しだけ引っ張る。すると、ピンと大きくなって起立した。

「こんな立派なモノを隠し持っておったか」

 黒マントの女は喜々としてなめずりをする。少女は顔を赤らめながらも興味津々に見つめる。

「女体化の前に精液を採取しておこう」

 黒マントの女は太めのガラス管を魔法で取り出して男のモノに被せるようにして採取の態勢を整える。

「では行くぞ」

 黒マントの女は肛門に挿し込んだ器具をクイと引っ張る。すると男のモノはビクビクと反応して勢い良く精液をビュービュー噴射してガラス管に注ぎ込まれる。

「これでよし」

 黒マントの女は満足そうに器具を片付けて少女に女体化を促した。何だか独特な匂いがする。

「じゃあ、やってみて」

「はい」

 少女は魔法陣を現出させると呪文をごにょごにょ唱えて女体化の儀式を始めた。


「汝の姿、神の理を越えて、若く反転すべし…」


 魔法陣は白く光った。


 それからかなりの時が経過し、台の上には銀髪のカワイイ少女が横たわっていた。


「アラアラ。随分可愛い女の子じゃない‼」

 あまりの可愛さに黒マントの女は身体をくねらせて喜ぶ。顔は丸顔で童顔だが、師匠の好みに当てはまったらしい。私も凛々しい顔だと言われてこの人の弟子になったのだ。弟子を顔で選んでいる節があるのは知っていた。

「師匠。ヨダレが出ていますよ」

 師匠の態度を見てドン引きしている少女はジト目で師匠を窘める。

「えっへへ…」

 師匠は袖で口元を拭う。

「はあ」

 少女は溜息をつく。

「溜息をついている場合じゃないわよ。そっちの布袋を開けてみましょう」

 師匠は突然師匠らしい態度に急変して少女に指図する。

「はい」

 少女は布袋の組紐を解く。中からは刀がでてきた。

「アラアラ。持ち主について来ちゃったのね…」

 師匠は刀を褒める。

(単に呼び寄せられただけじゃないのかな?)

 少女は師匠とは違う見解を持っていた。

「では、分解して」

「はい」

 少女は手際よく刀を分解する。基本的な構造はサーベルとさほど変わらなかった。が、柄の糸は切れ、鞘は割れ目が生じ、鍔は錆びているので外装は取り替える必要があった。

「これは職人に出すしかないかなあ」

 と少女は思う。

「え?痛んでるの?」

 師匠は美しく輝いた刀身を見て驚く。

「いえ。刀身は問題ありません。ただ、外装が痛んでますので職人に出す必要がありますね」

「そうなの?」

「はい。改造はその後でもできますし」

 少女はブレスレットに視線をやる。

「…確かにそのブレスレットの石は魔石ね」

「魔力付与はその魔石を使いたいと思います」

「それでもいいわ」

「では師匠。工房に行って参ります」

「行ってらっしゃい」

 少女は分解した刀一式と透明な魔石と黄色い縞模様の魔石を一つずつ盆に載せて職人の所に行った。


 少女は職人が詰めている王宮内の工房に出向いた。

「親方はいるかい?」

 少女は近くにいた職人に声をかけた。

「へい。殿下。呼んできます」

 間もなく親方が奥から来た。

「ヨゼフィーナ殿下、どうなさいましたか?」

「うむ。これをサーベル仕立てにしてもらいたい」

「サーベル仕立てですか?」

「うむ。刀身はこの魔石を組み込むから、このままでいいとして、拵が痛んでいるから手直しが必要だと思うのだが」

「うーむ、そうですねぇ。鞘も先が割れてしまっているし…とりま、外装は造り直しですなぁ」

「どのくらいでできる?」

「そうですねぇ、持ち手は再利用できそうですから、鞘が合うのがあれば昼には仕上がります」

「そうか、頼む」

「では、お預かりします」


 ヨゼフィーナが工房に行っている間、師匠は目の前に横たわっている銀髪の少女に欲情をしていた。外見上は自分の好みのタイプだからだった。とてもさっきまで男性だったとは思えない。

「ちょっとくらいいいかしら……」

 師匠は少女の身体に手を伸ばそうとした時、人の気配を感じた。

「すみません。お待たせしました」

「えー?もう、戻って来たのぉ?」

「え?何か?」

「いいえ。何でもないわ」

 師匠は残念がった。

「じゃあ、最終段階に。この子の運命が決まってしまうからね」

「はい」

 師匠の言葉にヨゼフィーナは身震いをした。ヨゼフィーナは緊張しながらもブレスレットからばらした魔石を手に取った。



「師匠。終わりました」

「ええ。良く頑張ったわ。貴女の第一号ね」

「は、はい。ありがとうございます」

 ヨゼフィーナは肩で息をしながら師匠に作業終了を告げ、師匠もヨゼフィーナを讃えた。その時、ヨゼフィーナのお腹が鳴る。ヨゼフィーナは顔を赤らめる。

「あらあら。じゃあ、下に降りてお昼を食べに行きましょう。この子は服を着せて廊下のベンチで寝かせて風に当てておきましょう」

「はい。水兵服を用意してあります」

 リリアに白下着を着け、エンジ襟の白セーラー服服を着せエンジ色のスカートと紺色の靴下に茶色の編み上げ靴を履かせる。師匠は銀髪の少女を抱え、ヨゼフィーナと共に部屋から出て脇のベンチに寝かせた。

「名前は決めてあるの?」

 師匠はヨゼフィーナに質問する。

「リリアです」

「じゃあ、名づけの儀式もここで済ませちゃいなさい」

「はい。分かりました」

「……我、汝に御名を神に代わりて授く」

 魔法陣が体現し風が発生する。

「汝の名、リリアと発する…」

 魔法陣が青白く光ってリリアの体の中に入って行った。そして風は止む。

「終わりました」

「殿下。仕上がりましたぞ」

 親方がサーベルを盆に載せて持って来た。

「ありがとう」

「はっ」

 ヨゼフィーナはサーベルを受け取ってリリアの横に置く。

「では、行きましょう」

 三人は一旦その場を離れた。が、その様子を物陰から見ていた人物が一人いた。

「ふふ。行ったわね」

 その人物は紙切れを一枚リリアの胸の上に置く。そしてそそくさと立ち去った。



 それから程なくして衛兵二名がそこに通りかかった。衛兵はそれに気がついた。

「おい、失敗作だってよ」

「人形みてぇだな」

 衛兵はリリアとサーベルを抱えて尖塔の最上階に向かった。


 最上階には投石器が備えられてあった。衛兵は投石器のばねを巻いてリリアとサーベルをセットする。

「あばよ」


 ばいーん。


 リリアはサーベルと一緒に放逐された。


 二時間以上経過した。


「リリアがいない⁉」


「あ、殿下。失敗作なら投石器で放逐しておきましたよ」

「何が失敗作だ‼寝かせて風に当ててただけだ‼」

衛兵の顔はみるみるうちに蒼ざめて行く。



 警報が鳴り王宮は封鎖されて王室騎士団に王宮騎士団、宮廷魔導師団に非常招集が発令され城内は大騒ぎになった。


「すぐに捜索隊を編成しろ‼」


                              つづく

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