ワンテイク

@oragiru

第1話 人生はワンテイク

始まりがあるなら、終わりはどこかで必ず来るっていうのがこの世界の常識だ。人もものも死ぬし朽ちる。誰もそれを信じて疑わない。でも俺は思う。この世界にだって無限はあるはずだって。朽ちず死なず、何事にも害されない究極の何かがこの世界にはあるって俺は信じてる。


チリン、チリン、チリン、チリン

「うぅ、、、」

チリン、チリン、チリン、チリン

「もう、、うるさいな、、、」

ガチャッと音を立ててうるさくなる時計を止めた。低血圧のせいでいい気分でおきたことなんて一度もない僕の朝はいつも憂鬱だ。あたまは痛いし、体は気だるいし、おきなきゃいけないっていう強制力もすきじゃない。

「準備しなきゃ。」

痛い頭をどうにか我慢して、僕は部屋のドアを開け、階段を下りていく。僕は鞍馬慎太郎。今日から高校生になる15歳の子供。可もなく不可もなくなんてうまくはいかないけど、それなりに頑張っている普通の人間だ。

「おはよう。しんちゃん」

「おはよう。母さん」

朝食の支度を急いでいる母を横目にリビングのソファに横たわる。

また眠気がおりてきて瞼が落ちてくるけど、そうはいかないとTVの電源を付けた。

「おはようございます。FFCニュースのお時間です。今朝突如として、、、、」

頭がまだ回っていないのかニュース内容は頭に入ってこない。

そんなことをしていると、テーブルに朝食が運ばれてきた。

「しんちゃん、もう朝なんだからシャキッとしなさいよ」

そんなことを言う母からコーヒーを受け取って、眠気を飛ばすために口のなかに流し込んだ。

「ふぅ、、これでとりあえずは眠くないな。」

そんな風におもういながら改めてTVのニュースのほうに目を向けた。

「泉市付近の住民の方々はくれぐれも注意して、外出をお願いします。」

ん?泉市はうちのとこだけど、何があったのかな。

それは突然だった。

リビングにある窓が大きな音を立てて一気に割れた。

それと同時になにかが家に入ってきた。




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