ランキング公式戦!

国王様からの訪問から一週間経ちました。


「さて、今日は国内の公式戦だ。気合いを入れて頑張るぞ!」

「ええっ!子供達に良い所をみせましょう!」



剣魔大会に出場するには、最低でも全国ランキング50位以内に入る事が条件になっている。

上位ランカー全て剣魔大会に出場する訳では無いからだ。自身の都合、家族の都合などで参加しない者がいるため、余裕を持って参加人数を確保している。



ランキングを上げるには自分よりランキング上位の者と#決闘__デュエル__#をして勝利して上げる野試合や、今回のような公式戦大会で上位入賞することで上がる。

逆にランキング保有者は公式戦に参加しないとランキングの順位が必ず下がる事になっている。




さて、今回の公式戦はどうなることでしょうか?



「エトワール王国・ランキング大会公式戦、デュオの第1回戦が間もなく始まります!第1回戦はなんと!永き沈黙を破り、かつて剣魔大会で【優勝】経験もあるペア、氷炎の貴公子グランと水の女神レイラ・アクエリアス公爵夫婦ペアだーーーーーーーーーーー!!!!!!!」


おおおおおおぉぉぉぉぉぉぉぉ!!!!!!!!


「今、何かと話題のアクエリアス公爵様だと!?」

「お子様も激レアスキル持ちだそうだし!」

「妹さんも発明女王って呼ばれているよな!?」

「マジすげーよ!?」

「がんばれー!!!」



凄い歓声が会場を満たした。大会の会場は甲子園会場のように観客席が完備され、闘いのフィールドは結界に3重に覆われ観客席を守ているため、上級魔法を撃ち合っても問題ない様になっている。


「さぁ!会場のボルテージもMAXだぁー!第1回戦!始め!!!!」


お父様……グランが剣を2本構えた。

お父様は軽装の革鎧を着ている。お母様は動き易い短いローブを着ている。基本的に装備は自由である。

経済力も力だし、武器屋も良い宣伝になるので、上級ランカーには採算度外視で投資の意味で、最高級の武器を貸出しするのだ。

ただマジックアイテム類は禁止になっている。

しかし、武器や防具に魔法効果があるのは【可】なのだ。そこは対戦相手で装備を変更する工夫が必要なのである。




「いくぞ!レイラ、頼む!」

「任せて!」


「「エンチャント!!!」」


グランが氷を、レイラが炎をそれぞれの剣に纏わせた!


「くっ!なんて魔力だ………!?」

「マジかよ!子供を育てるのに訓練なんてやって無かったじゃないのかよ!」


相手のペアは完全に及び腰状態だった。


「こうなったら破れかぶれだ!」


発動の速い風の魔法を放つ!


「魔力の練りが甘い!」


バシュッ!と、双剣で風魔法を斬り裂きそのまま突然する。相手のペアで大盾を持っている人物が防ごうとしたが、グランの剣は大盾を真っ二つにした!唖然としている相手に氷の斬撃を喰らわせた!


「ぐわっ!!!」


手加減をしたのか、そのまま吹き飛び崩れ落ちる。


「くそっ!まだだ!!!」


風の魔法を放った人物が、今度は火の魔法を放つ!


「甘いわね!!!」


レイラが放った炎の魔法に飲み込まれ、そのまま相手を焼いた。


「ぐわあぁぁぁぁぁぁああああ!!!」


こちらも手加減したのか、見掛けほど酷い火傷を負わさず相手を無力化した。


「試合終了ーーーーーー!!!早い、一分と掛かっていませーん!決着ーーーーーー!!!観戦席からでも物凄い魔力を感じました!これは全盛期以上かも知れませーーーん!!!」


ワァーーーー!!!

ワァーーーー!!!



大歓声の中、お父様とお母様の試合は終わったのでした。


「レイラ、気付いているか?」

「ええ……修行の負荷を解かなくても楽勝だったわね♪」

「ああ、不思議な感じだな。いつも通りに動けている。もし修行の負荷を解いたらどうなるのやら……」

「とりあえず、苦戦しそうだったら打ち合わせ通りに解除しましょう。子供達に無様な試合をみせられないわ」


二人は手を繋ぎながら会場を後にした。


「ほぇ~、お父様とお母様ってめちゃくちゃ強い?ってか、剣魔大会で優勝したなんて聞いてないけど!?」


「僕達が産まれる前の話だそうだよ?お父さんとお母さんがデュオで優勝して、その場で結婚を申込んだとか……」


うわぁ~マジで!?それはロマンチックだけど、恥ずかしいよね!?隠したくなるのもわかるかもw


シオンは両親の馴れ初めを知って、によによしたのだった。


「シオン、気持ち悪いぞ?」


と、レグルスは余計な一言をいってシオンに殴られるのでした。



試合は順調に進み、2回戦、3回戦とも勝ち抜き準決勝─


「お久しぶりですアクエリアス卿!」

「ああ、タウラス伯爵の長男アルデバラン君だったな。かなり頑張っているようだね?」

「お恥ずかしいですが、自分なりに頑張っているつもりです!本日はよろしくお願い致します!」


謙虚な姿勢とは違い、アルデバランは今回の大会出場者では、最高順位のランキング19位の猛者だった。ランキング上位は尊敬と名声を集めるが、1位から9位までを#一桁台__ファーストナンバーズ__#と呼び、10位から19位までを#二桁台__セカンドナンバーズ__#と呼ぶ。


剣魔大会の主力メンバーになる者達だ。


実質の決勝戦となる試合が今、始まる!



◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆

【後書き】

愚者の声

ちょっと補足事項です。公式戦大会は各地域で複数の会場で行われます。アクエリアス領で参加したランカーでの最高順位がアルデバランと言う事です。







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