第2章:幼少期・公式戦編
修行あるのみ!(脳筋思考)
あれから少し慌ただしい日々が続きました。
王城から発表があり、レアな戦闘スキルの保有者からスピカ王女が正式な【王位第一継承権】を得た。そしてレグルス王子がアクエリアス公爵家への養子に出される事も発表された。こちらは良くある事なので余り騒がれ無かった。それよりも女神リューシン様の加護を得た事が周りに衝撃を与えた。
「近年、稀にみる快挙だ!」
「女神リューシン様の加護だなんて羨ましい!」
「スピカ王女バンザーイ!!!」
城下町はお祭り騒ぎだった。女神リューシンの加護を頂いた【人族】はここ100年ほどいなかったからだ。しかし、王城では憂鬱なスピカ王女がため息を付いていた。
「はぁー、お兄様も女神リューシン様の加護を頂いたと言うのに………ちゃんと公開もされたのに、私だけお祝いされるのは納得いかないわ!」
スピカ王女は部屋の窓から、遠くのアクエリアス領を眺めるのだった。
「私もお願いしてアクエリアス領で修行しようかしら?」
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アクエリアス公爵家─
「ぐぎぎぎぎっ…………」
「ぐっ………れ、レグルスよ。もう根を上げた……のか?」
「れ、レイン兄さんこそ……はぁはぁ、凄い汗……ですよ?」
正式に養子となったレグルス元王子は、すでに悲壮感など無く、父親である国王陛下に認めてもらえるよう必死に修行に励んでいた。
それに感化され、兄のレイン【達】もシオンの修行に加わったのだ。それには訳があり、シオンは女神セレスティーナから特別な修行を受けていたからだ。それを見た人々は自分達にもと、お願いしてきたのだった。
「はぁはぁ………確かにキツイな!」
「ま、まだまだ子供達には負けないわよ!?」
シオン達の側には父グランと母レイラも一緒に修行していた。セレスの修行は至ってシンプルで、自分の肉体に2倍の重力の負荷を掛けるものであった。そして、どうしてもキツイ時や賊に襲われた時などには、自分で解除できる様にしてあった。
この修行を、屋敷にいる使用人達も自分から申込んできた。メイドさんや執事さんの方々が、小さなお嬢様ばかりに苦労はさせられない!と言ってきたからだ。
例えて言うなら出掛け先で、小さな子供に重たい荷物を持たせて、自分が楽にしているのが居たたまれなくなったようだった。
「シオンはレベル2に行っているんだろう?」
「俺だってすぐに慣れてやるさ!」
シオンはすでにレベル2である重力3倍の修行を行っていた。
「まだまだ息子、娘には負けん!!!」
うおおおぉぉぉぉぉぉぉおおおお!!!!!
元気なお父様は、この状態で物凄い勢いで素振りを続けた。お母様も魔法のファイヤーボールを両手で作り、消さない様に集中力を高める修行を行っていた。
ちなみに、メイドさんと執事さん達は普通に仕事をしているだけです。分かります?身体に2倍の負荷を受けながらの掃除などは、はっきりいって何よりの修行になるのですよ!?
こうして知らない間に、アクエリアス家の人々が最強の人種へと進化していくのは、もう少し先のお話です。
後に、スピカ王女が遊びに来た時に、この修行を自分にも!と言って同じ修行を受けて行きました。お城に戻って、自分だけ置いて行かれないよう、ちょくちょく遊びに(修行しに)来るようになりました。
「くっ!?ちょっと見ないうちに強くなりましたね!お兄様!」
「スピカに苦労は掛けられないからな!武技『双刃』!!!」
レグルスの剣先から2つの剣撃の刃が飛んでスピカに襲い掛かった!
「はあぁぁぁぁぁぁぁああああ!!!」
スピカは気合いを入れると全身から闘気が溢れだし、剣を振るった。
バシュッ!!!?
「嘘だろ!?気合いの一閃で欠き消した!?」
レグルスとスピカの力は拮抗していて、力で押すスピカに、多彩な剣技とスピードで戦うレグルス達は、自分だけの闘い方が備わってきていた。
「はぁはぁ………お兄様には負けませんわ!私を倒せないようでは、王籍に戻って来るなど夢のまた夢ですわ!」
一呼吸置いてからまた訓練を始める二人だった。
「う~む………既に子供のバトルでは無いな。本当に戦闘スキルのみで実力を測る、悪しき習慣を断ち切らなければならないな」
腕を組ながら二人の訓練を見守っていたお父様が呟いた。
どうやら私達は順調に成長しているみたいです!
◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆
【後書き】
愚者の声
「いやぁ~ショ○は良いよね~(眼福です)もう少し続きを書こうかな?」
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