第13話サイクロプス戦☆
現代に戻ります
「サイクロプスワシの部屋へ来い」
最近元気がないサイクロプスを部屋へ呼び寄せた。一緒に育ってきた3人が勇者に倒されてしまったからだろう…3人とも魔石を回収して保育器に入れてあるので近いうちに赤ん坊に変化するであろう。
「魔王様お呼びでしょうか?」
「今宵はサイクロプスが相手をせい」
「ぼく…可愛くないですよ?」
「可愛いに決まっておろうが!ワシの嫁だぞ?」
サイクロプスは涙目になっている。実際可愛くは無い。顔立ちは1つ目だが少年のような可愛げがある。しかし身体はボディービルダーそのものである…嫁なので平等に相手をしているがマッチョすぎるのだ…身長もワシの1.5倍はある。
「どうだ?昔を思い出してくすぐってやろうか?」
「魔王様…」
皆を助けられなんだ事を悩んでいるのはわかっているがワシにはこれぐらいの事しかしてやれん。ロープを持ってサイクロプスに近づく。
「魔王様ロープでは簡単に引き千切ってしまいます」
「ワシに任せよ」
4人でワシの所へ来た時の思い出である鉄砲縛りで縄を掛けていく。
「魔王様…力が入りません…」
「ワシを誰だと思っておる?筋力を10分の1にする術式を施してある」
「あの日のようにもがいてみい」
「ぼくすぐに引き千切るから見ててください」
サイクロプスは手足に力を入れて引き千切ろうとする。
「んんんー…千切れないー」
サイクロプスは嬉しそうに笑った。
「魔王様!ぼく勇者と戦いたいです!」
「わかった」
ボールギャグを口に入れると身体をくすぐっていく。
「んんんー…ん…ん…んんー」
サイクロプスはくねくねと身体をくねらせてくすぐったさを逃がそうとしている。4時間くすぐってやっとサイクロプスは脱力した。なんという体力じゃ…
ボールギャグを取り出すと…
「サイクロプスよ…気持ちは晴れたか?」
「はい!」
サイクロプスは大きな声で返事をした。
「思い立ったが吉日!行こう!」
サイクロプスを連れてダンジョンに転移し…
「サイクロプス待っておれ」
勇者の宿へ…
「魔王様縄を解いt…」
転移する。
「勇者よ!」
「わぁ!魔王さ…びっくりするからドアから来てくれないかな?うち女の子だし?」
「些事はよい。明日サイクロプスがお主に決闘を申し込む。今から準備してダンジョンに泊まるのだ」
「些細な事じゃないんだよ!大切な事だよ!なんで今から?ダンジョンって寝るとこあるの!?」
「サイクロプスと話をしてやってくれ。寝る所は作る」
「???まぁ話位はいいけど…」
「では飛ぶぞ」
勇者を連れてダンジョンに戻る。
「変態魔王!サイクロプスさんなんで縛って放置してあるのよ!」
「魔王様お帰りなさいませ」
「うむ!急いでおったからの」
「急いでてもダメだよ!」
クワッ!
気合いで勇者の動きを止める。
「変態魔王!うちも縛るなー!」
美羽は高手小手に縛られて胸の上下にも縄を回された。足はサイクロプスと同じで体操座りで足首と太腿を繋げられて足が伸ばせなくなった。魔王はサイクロプスも高手小手に縛り直し胸の上下に縄を回した。
魔王が指を鳴らし美羽は動けるようになったが…
「魔王!力が出ない!何したの?それと縛られて寝られる訳無いじゃない!解きなさいよ!」
「勇者よ、その縄は力を10分の1にする術式が掛けてあるから回復が促進される。安眠の術式も掛かっておる。とても良く寝られるはずじゃ」
「よく寝られても縛られて寝るのやだよ!跡が残っちゃうじゃない!」
「こんな高性能な縄なのに…そうじゃ!売りに出そう!」
「国のみんなが疲れを取るために縛られて寝る…ヤバい国になっちゃうから!絶対ダメなやつ!」
「仕方ないのぅ遠足帰りの疲れた子供に良いと思うのじゃが…」
「黙れ変態魔王!」
魔王は体育マットを出して敷く。うちとサイクロプスさんをマットの上に移動すると…
「ワシは魔王城へ帰るから仲良くするんじゃぞ?」
「解いて行け!変態魔王!」
魔王は消えた。
「すいません。ぼくのわがままに巻き込んでしまって…」
「サイクロプスさんのせいじゃないですよ!変態魔王め!そういえばなんでうちと話をしたいの?」
「先日勇者さんが倒したアラクネ、とろけるスライム、鬼神の事覚えてますか?」
「アラクネととろけるスライムは覚えてるけど…鬼神ってダンジョンのボスだったナイスバディの女の子?」
「そうです。それでぼくがここで勇者さんを縛ったサイクロプスです」
「えぇー!」
うちは4人が赤ん坊の時から一緒に育った事や幼児の時魔王に辱められたから魔王の嫁になった事を聞いた。
「サイクロプスさん!うちと一緒に魔王倒さない?」
「それはちょっと…」
「変態魔王なのに?」
「変態魔王でもです!」
うわ…変態魔王認めたよ…でもうちってモンスターバリバリ倒してたけどモンスター達にも人生があるんだなぁ…
「話が逸れましたが仇が討ちたいのです!」
「そっか…わかった!うちと戦おう!」
「勇者さんありがとう…」
うちは本当にぐっすり寝られてしまった…
翌朝魔王と先日の拘束された幼児が来て魔王が縄を解いてくれた。
「よく寝られたじゃろ?」
「お陰様で貴重な経験させてもらったよ…」
「喜んでもらえたら嬉しいの」
「嫌味だ!」
「こやつは奇面導師だ」
「無視するな!」
幼児はぺこりと頭を下げる
「えっと…うち勇者よろしくね?」
(奇面って変な顔って意味だよね?めちゃくちゃ可愛いけど…)
「それではサイクロプスと勇者の決闘を始める。立会人はワシと奇面導師だ…はじめ!」
サイクロプスはうちを殴りにくる。
うちは躱してサイクロプスを突く。
サイクロプスは避けない。サイクロプスの胸に剣が突き刺さる。
「え?」
「勇者さんありがとう…」
サイクロプスは倒れて動かなくなる…
「勇者よ…すまんの」
「なんで?どうして?」
「サイクロプスは死にたかったのだ…」
うちは涙が止まらない。明日からモンスター倒せるかな…
その後魔王城…
4つの魔石が保育器に並べられている。輝きを増してまるで喜んでいるようだ。
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