第191話 夏の大型コラボ!④
「ミミちゃんっ」
「はいっ」
一回戦の開始から五分が経過したことをエリナ先輩が告げ、その数秒後にあたしとミミちゃんは勝利に王手をかけた。
付き合いの長さと絆の強さを存分に発揮して的確に連携し、水に浮かぶおっぱいの様子にチラチラと視線を送りつつ、相手に得点を許さないまま試合を進めている。
体力や時間配分を考慮して、予行練習の時と同じ三点先取の一セットマッチ。
このまま勢いに乗って勝ち切りたい。
「劣勢だけど、諦めるにはまだ早いよ」
「その通り、まだまだ逆転できるにゃっ」
あと一点とはいえ、油断は禁物だ。
ここから三点連続で取られて負けるなんてことも、可能性としては決して有り得ない話じゃない。
「あっ、ごめん!」
考えているそばから、あたしのレシーブミスによってボールが想定と逆の方向へ飛んでいく。
「ドンマイです、焦らなくて大丈夫ですよっ」
「うんっ、ありがと!」
ミミちゃんの励ましによって元気を回復したあたしは、先ほどのミスを帳消しにするべく積極的に動き、とっさに仕掛けたフェイントが功を奏して試合を制することとなった。
ここでいったんプールサイドに上がり、タオルで体を拭いてから水分補給を行う。
勝ったあたしたちは、続けて一期生との二回戦に臨むことになる。休めるうちに体を休めておかないと。
勝利者インタビューとして五分ほどミミちゃんと共に実況席で話した後、再びベンチに腰かけて次の試合が始まるのを待つ。
「いよいよアタシたちの出番ね、シャテーニュ。疲れが残る相手を一方的に叩きのめすのは心苦しいけど、手加減せずボッコボコにするわよ!」
「そのセリフ、負けフラグっぽくない? まぁいいや。ネココちゃんとスノウちゃん、次の実況と解説よろしくねー」
先輩たちと交代して実況席に座った三期生の二人が先ほどの試合についてコメントを拾いつつ感想を話し、あたしとミミちゃんは静かにイチャイチャしながら休憩し、エリナ先輩とシャテーニュ先輩は試合に向けて準備運動を始める。
「予行練習の時は負けちゃったから、今日は先輩たちにリベンジしようねっ」
「そうですね、このまま全勝を目指しましょうっ」
ミミちゃんと拳を合わせ、ゆっくりと立ち上がる。
先輩たちも強敵だけど、あたしたちならきっと勝てる。
それはそれとして、ミミちゃんのスク水姿の破壊力が尋常じゃない。
いま考えるようなことじゃないけど、着替える前には土下座してでも写真を撮らせてもらわないと。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます