第153話 冗談かと思った驚愕の新設備①
とある晴れた日の朝。
統括マネージャーからメンバー全員に対し、とんでもない連絡が一斉送信された。
その内容とは、
〝本 社 ビ ル の 地 下 に プ ー ル が で き ま し た〟
……うん、何回読み返しても文面は変わらない。
本社ビルの地下にプールができたという意味で間違いないというか、他に考えようがない。
「ミミちゃん、今日ってエイプリルフールじゃないよね?」
「夏真っ盛りですね」
「だよね」
「はい」
熱くて甘い愛の営みに励んでいたあたしとミミちゃんは、和室に敷いた布団で肩を並べて寝転がりながらスマホの画面を眺めている。
もし普段通り自室で寝ている時にこの連絡が来たら、ベッドから飛び跳ねてミミちゃんのところに突撃していたと思う。それぐらい衝撃的な内容だ。
「もしかして、これって夢? ミミちゃんとエッチした感触とか余韻とかハッキリ残ってるけど、限りなくリアルに近い夢だったりする? ミミちゃん、どこでもいいからあたしの敏感なところ強めにつねってみて!」
「はいっ、分かりました」
ミミちゃんはあたしの要望を了承し、すぐさま実行に移してくれた。
その際にめちゃくちゃエッチで情けない感じの声を漏らしてしまったけど、ミミちゃんにしか聞かれていないからセーフだと自分に言い聞かせる。
「ご、ごめんなさい、強すぎましたか?」
「ううん、気持ちよかった――じゃなくて、これで夢じゃないってことは証明されたね」
「いまさらですけど、別に敏感なところをつねる必要はなかったんじゃ……」
「ちゅっ」
細かいことを気にするミミちゃんの口をキスで塞ぐ。
ミミちゃんが静かになった後、頬や首筋、鎖骨やおっぱいや腋やお腹など、いろんなところにキスをした。
最後に爪先へと軽くキスをして、あたしはスッと立ち上がる。
「百聞は一見に如かずって言うし、直接確かめに行こうよ!」
拳を掲げて元気よく言い放ってみたものの、反応がない。
どうしたのかと思い視線を下げると、ミミちゃんはトロンとした表情でこちらを見つめていた。
「ご、ごめん、ちょっとやりすぎちゃったかも……」
「ら、らいじょうぶ、れひゅ」
本人は大丈夫だと言ってくれたけど、呂律が回っていない。
確かめに行くとしても、いますぐにというのは無理そうだ。
「とりあえず、シャワー浴びながら予定を立てよっか」
そう提案すると、ミミちゃんはコクリとうなずいた。
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