第27話 ようこそご新規さん!

 ミミちゃんとの企画配信の翌日に、他社Vtuberさん主催のゲームコラボに参加した。

 いわゆる外部コラボというやつで、できるだけ表には出さないよう気を付けていたものの、秘めたる緊張感たるや一言では言い表せない。

 自分より活動歴の長い人たちに囲まれて委縮していたというわけではなく、うっかりエッチな発言が飛び出したらどうしようとハラハラしていた。

 危惧していたような事態には陥らず、無事に楽しく配信を終え、一夜明けていまに至る。


「みんな、こんユニ~! 今日は昨日コラボでやったゲームを一人モードでプレイするよ!」


『こんユニ!』

『こんばんは。昨日の配信から来ました』

『コラボで知りました。こんユニです』

『初見です。こんユニです』

『こんユニ~』

『昨日のコラボ面白かったです』

『今日新規さん多いね』


 昨日のコラボは参加人数がそれなりに多かったということもあり、視聴者の中には当然ながらあたしのことを知らない人もたくさんいた。

 幸いなことに、昨日の配信がきっかけであたしに興味を持ってくれたという人も多い。

 となれば、ゲームを始める前に少し話しておくべきことがある。


「ご新規さんがいっぱいいるね~。来てくれてありがとう! ゲームの前に、ちょっとだけ説明させてね」


 コホンと咳払いを挟み、続きを口にする。


「まず、あたしはエッチな発言が多いです!」


『え?』

『急になに言ってるんだ』

『意外ですね』

『マジか』


「次に、リスナーさんたちがたまにキツいコメントを送ってくるけど、アンチとかじゃなくてコントやプロレスみたいなものだから、心配しなくても平気です!」


『なるほど』

『了解です』

『分かったー』


「そして、同じ事務所で同期の闇神ミミちゃんはあたしの妻です! 一緒に住んでます!」


『!?』

『!?』

『そうなんですか!?』

『調子に乗るな』

『てぇてぇ』

『同居マウントやめろ』

『末永くお幸せに』


 コメント欄が一気に騒がしくなった。

 前言撤回というわけではないけど、いまの発言に対しての辛辣なコメントはコントやプロレスみたいなものではなく、ミミちゃんガチ恋勢からあたしへの純粋な本音だと思う。

 とりあえず、初見さんに知っておいてほしいことは一通り言えた。


「以上、あたしの配信についての説明でした! それじゃあ、ゲームを始めるよ~!」


 場面切り替え的な意味でパンッと手を叩き、改めてゲームのコントローラーを持つ。

 念のために説明したとはいえ、いきなりドン引きされちゃうのも悲しいし、エッチな発言は控えめにしておこう。


「昨日も思ったけど、このキャラって何気におっぱいぶるんぶるん揺れてるよね。ファミリー向けのゲームでこれはなかなか攻めてるよ、うん。ちなみにだけど、ミミちゃんのおっぱいはもっと揺れるよ~」


 これぐらいなら余裕でセーフ……だよね?

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