秘密の告白(後編)
「まぁ後は座って話そうよ。」
座るように促されて三人で1つの大きなソファーにイリスが真ん中になるように三人で座る。
「私も気づくのが遅かったけど外で話して誰かに聞かれたくないからね。」
…確かに軽率だった。龍種が近くにいる話なんか普通は聞かせられない。誰にも見えない場所って言っても大声を出せば聞こえていたかも知れないし、見えないって言っても探せばどこかあの砂浜が見える場所があるかも知れない。
これからもイリスと会うにしても同じようにならないように気を付けないと…。
そう考えながら、ふとイリスの方を向いて見ると座っているだけだと思っていたが、震えがまた再発していた。
──これだ。
僕が一番聞きたかったが聞きづらかったこと。
イリスは何を思い出して震えているのか。イリスの強さを目の前で見たから余計にイリスほどの人が何を恐れているのか。
──確証はないが1つ思い付いたことはある。
もし考えが合っているなら知っておきたい。さっきも命を救われて、初めてできた友達を心から支えてあげられるように。
「…イリス。落ち着いて、大丈夫?」
反対側にいるユキも気づいていたようでユキを気遣っている。
「二人とも…大丈夫だよ。ごめんね、心配かけて。
…それにしてもリョウガはいつも気づくよね?」
「僕はイリスの事をよく見るようにしてるからな。…なぁイリス、もし話したく無いんなら聞かないようにするんだけどさ…。イリスがたまに怖がってるのは人間が何か関係してるんじゃないか?」
「そうなんですか?お兄様?」
イリスが少しではあるが反応をする。
──確定だな。
心当たりは何度かあった。ユキと初めて会うかどうか決めたとき、実際に会うときもそうだ。
イリスは何故か過剰とも言えるほど僕以外の人と会おうとしなかった。
それだけでイリスが昔、人との間で何かあったと思わせるのに充分だった。
イリスは僕の質問に黙ったままだった。やっぱり言いたくないんだろう。そう思い出した時に
「リョウガはこういう時だけ鋭いよね…。他のことは全然なのに…。」
余裕がでてきたのかからかうような笑みと共にイリスは何があったのか少しずつ話し出した。
「実は…私ね。
もう何度も人間に殺されているの…。」
僕が考えていた以上の答えが返ってくるとはおもってもいなかった。
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(作)今回は短いですがもう少しお話はつづきます。
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