二章 魔族の子供
異変の始まり
イリスと出会ってから、前に一人で訓練している時とは違い時間が過ぎるのが早く感じる。
「ここだ!!」
──イリスのレイピアを持つ左手に狙いをつけ剣を振る。
「甘いよ!」
──イリスはそれを読んでいたようで体ごと俺に突っ込んでくる。
俺はまさか身体ごと突っ込んでくるとは思わずそれをまともにくらってしまい。今日も吹っ飛ばされる。
身体から力を抜き、激しく動いたせいか息も絶え絶えな状態で砂浜に寝転がる
「いってぇ…今日も負けた。」
今日も今日とて僕はイリスと勝負しては吹っ飛ばされる日々を送っていた。
自分からお願いしたとはいえ、一年間近く勝負をしてまだ一度も勝ててないのは正直悔しい。今日も最後の攻撃はイリスが僕は狙わないと思う場所に狙いをつけて当てに言ったんだけどな…。
「今日も私の勝ちだね。リョウガ?」
上から覗きこみすっかり板についたニヤニヤ顔で手を差しのべてくれるのはイリスだ。未だに謎が多い少女だが毎日楽しそうに僕の訓練に付き合ってくれている。
…僕を吹っ飛ばすのが楽しいとかじゃないよな…?
僕はイリスの手を借り立ち上がるとこの場にいるもう一人から声がかかる。
「お兄様とお姉様の訓練は、こちらから見てるとどちらかが大怪我をしそうで怖いですわ…。スキル
イリスと僕を回復してくれるのはユキだ。イリス会ってからほぼ毎日のように付いて来るようになった。
「あっユキちゃん!私が回復するからスキルは使わなくても良かったのに…。」
「私もスキルレベルをあげたいから使ってるだけですよ、お姉様。それともお姉様には別に目的が?お兄様に…」
「ないよ!?ユキはスキルは一回しか使えないでしょ!だから私が代わりにしてあげようかとね!」
こうやって話してると本当に姉妹みたいだな…。ユキは何故かお姉様呼びだし。
「おーい!取り敢えず午前中の訓練はこれで終わり。お腹も空いてきたし昼食でも食べようぜ。せっかくユキが作ってくれたんだから。」
ユキは毎日三人分のお弁当を作るようになった。最初イリスは断ったのだが僕達だけ食べるのはこっちとしても遠慮したいしな。
そして僕も一緒にユキと作るようになった。ユキにだけ苦労かけるのが嫌だったからだ。
僕が料理に馴れてるのを見てユキは驚いてたけど。
前世では一人暮らし長かったからな…。
「「はーい!」」
二人と一緒に橋で影になっている所まで移動して食事を取る。
こんな生活が一年間近く続いていた。イリスと訓練するようになってからは朝からもここで訓練をするようになった。イリスは朝からここにいたようで毎日僕に付き合ってくれている。
そのお陰か僕のレベルも上がっていて、
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〈名〉リョウガ・アクアス
職業・〈___〉レベル[28]
スキル・『UR異世界言語』『UR環境対応』『Rスラッシュ』[5]
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今では28になっている。職業が未だにどんなものかわからないが伸びている。レベルがどうして上がるのかも不思議で、別に魔物を倒しているわけでもなくイリスと戦っている内に伸びていた。
本には魔物を倒すことでレベルは伸びると書いてあったので何故レベルが上がっているのかは追々調べていこうと思っている。強くなれる秘密があるかも知れないしね。
今では充実した毎日が送れていた。…これがせめて成人まで続いてくれれば嬉しいと願っていた。
しかし今、僕達の目の前にはあり得ない光景が広がっている。僕達の前に突然現れたが、本来ここにいるはずの無い生物のせいで。
魚のような姿で大きさは人間の成人男性と代わりがない。手や足が生え、目が気味の悪いほど大きい魔物〈サハギン〉と呼ばれている物が湖から現れた。
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〈作〉今週公開してる話しは手直しを多分します。
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