イリスと特訓?

「じゃあ…始めよっか…///」


イリスの雰囲気はそのままなのに、回りの空気が重たく感じる。


なんだこれ…バッカスなんか比べ物にならないほど強いのが剣を抜いた瞬間からわかる。


いや比べるのも失礼だ。こんなのを見たら王家の騎士団なんか可愛く見えるな…。


子供に見えるけど本当にイリスって何者?


というかどこからレイピアみたいな特徴のある剣をだした?

腰に差してるようには見えなかったぞ…!?


「…イリス…いちょう聞くけど、これ訓練なんだよね…?」


「…そうだよ?」


首を傾げて、何を当たり前のことをいってるの?見たいな態度はやめて欲しい。


バッカスが放つ殺気のような物は確かに感じない。けどそれを抜きにしてもなんつう威圧感だよ…。


「練習を手伝うとは言ってたけど、まさかイリスと模擬戦をするとは思ってなかったな…。」


完全に回復がメインの娘だとおもってた…!

大人しそうな娘だったし…!


「…?…そういえば…言ってなかったね…!じゃあ頑張ろう!」


「…うっ!」


善意100%なのが断りづらい…。相手が完全に格上の人と戦うにしても、これ練習になるのかな…?


「…よし!いくぞ!」


正直女の子相手に剣を振れないとか四の五の言ってらんないな…ここまでされたら…。


──もっとは今よりも強くならないと!

女の子相手にビビってるようじゃ冒険者になんかなれねぇ!


「うおおおぉぉぉぉぉ!」


イリスの近くまで走り込み斜め上段から斬りかかる。


──バッカスと戦う時のように手加減なんかできる相手じゃない!本気でやらないと負ける!


剣を振り下ろすと同時にレイピアが下から剣を払い抜けるようにして振るわれる。


「──ぐっ!」


簡単に僕の剣はレイピアに弾かれてしまう。


──なんで両手で上から振るった剣が片手で下から振るうレイピアに負けるんだよっ…!?


思わず次、どう動けばいいか判断が遅れてしまう。


──しかも確かレイピアってスピード系の剣

じゃ…?


──まずいっ!?!?


気づいたときには目の前にレイピアを構え、少し笑みを浮かべるイリスが…あっこれ死ぬっ…!


──防御…!いやっ間に合わない!なら!


「スラッシュ!!」


スキルを発動したことにより強制的に体を動かしイリスの持つレイピアを目掛けて斬撃を放つ。


──これで止まれ!!!!


剣同士がぶつかり甲高い音が響く。お互いに剣を弾くことにどうにか成功した…。


イリスの笑っていた顔に驚きが走る。


──完全に勝ったと思ってたんだろうな…。完全にレベルもイリスが上だろうし…。


正直スキルで放った剣撃をレイピアただ振るだけで相殺されるとかこっちも思ってなかったけど!


「…イリス…ちょっと強すぎない?」


「…リョウガこそ…完全に勝ったと思ったのに…」


正直さっきので返しで勝てなかったのは痛い。多分今のでイリスから油断が──


「今度は…もう少し速く…いくよ!」


──完全に消えた。


◇◇◇◇◇

sideイリス


──やってしまった。


リョウガが予想よりも強かったのもあるけど正直ここまでだとは思ってなかった。


私の方がレベルは上だろうと思ってリョウガとの模擬戦をしたけど最初は寸止めで終わらせてちょっとずつアドバイスをしていく予定だったのに…


まさかスキルをあんな風に使って防ぐなんて…簡単なスキルでも使い方によるんだと私の方が教えて貰った気分…。


今、彼はを掛けられて私の膝の上で寝てる…。あのあと私が向きになってレイピアを強く振ったら防御した彼の剣ごと飛ばしてしまいました…。


彼は彼で湖の方に飛んでいったから大丈夫だと思ったのだけど…そのまま沈んでいくし…。


勝負には勝ったけどなんか負けたみたいで…少し悔しい…。


今日はもう起きないだろうし…明日からはもっと

安全に!それで彼のレベルに合わせて稽古しよう!


今日の模擬戦で大体のリョウガのレベルもわかった。


職業まではわからないけど…レベルは10から20までの辺りだろう。これはから何となくわかった。


──そうして私は久しぶりに自分のステータスを確認する。


───────────────────────

〈名〉イリス

種族・〈水龍〉レベル[103]

魔法・『水魔法創造』

───────────────────────


……ここまでレベルに差があったのにリョウガは一度は良い勝負したの…?


私も自分のレベルを忘れてたとはいえもう少し加減をしないと危ないわね…。そもそも彼は─


「明日も私と戦ってくれるのかな…?」


今回の模擬戦で戦うことが怖くなってないといいけど…私のせいで彼の夢を壊したくはない。


「もっと成長して私にこれからのあなたを見せてね…」


そう、眠っているリョウガに向けて語り掛けた。

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