ポトリ・3

_____圭子お祖母さん家には、夕方に着いた。


冬だから、辺りはもう真っ暗だし


綺麗な庭は、明日の朝見るかな。


デッカイ門の辺りをキョロキョロしなが


「母さん、そこまで雪積もってなかったね。」


「ホントね!でも、すっごく寒い~!!」



___________




コタツに入って暖を取りながら


「あぁ~暖かい~。

 あっ!そうだ、圭子おばあちゃん久し振り!!」



「寒かったでしょ?よく遠い所から来てくれてっ。」


心配そうな声で母さんは


「足、捻挫しちゃったんだって?大丈夫なの?

 こんな広い家に1人だし・・・。」


圭子おばあちゃんはケラケラと笑いながら


「平気よぉ~。大袈裟なのよ、あの子はっ。

 ・・照子は、今海外に居るからねぇ。

 すぐ行けないからって里子に電話してっ。

 ホントに里子悪かったわね、たいしたケガ

 でもないのに~。」



「いいのよ圭子叔母ちゃん。

 ふふ、照ちゃんビックリしちゃったんでしょ?

 きっと。」



「照子も、もうすぐ着くと思うの。

 何だかんだ言って、帰るって言ってたから。」



「ねぇねぇ、母さん。

 誰?照ちゃん、照子って?」



母さんはみかんをモグモグ食べながら


「あぁ、あのね。

 圭子叔母さんの娘で

 あたしの従姉なの。」



「あ、そっか。へぇ~。」



「龍一も、5歳ぐらいの時会ってるのよ?」



「う~ん、そうなんだ..

 覚えてないなぁ・・オレ。

 あっ、そうだ。そうそうっ。

 幸一お祖父さんの写真見せて。

 ね、圭子おばあちゃん。」



「ええ、いいわよ。

 えっと~アルバム何処だったかしら・・。

 多分___確か、2階の納戸かな。

 左の箪笥の所に仕舞ってあると思うの。」



「うん、わかったっ。

 オレ、探検がてら探してみるよ!!」



母さんが呆れた顔して


「はぁ~、探検って。。

 あんた、16にもなって~

 子供じゃないんだから。」



「まぁ、そう・・。

 龍ちゃん、16歳になったの。そう・・。

 何か雰囲気が、兄さんに似てるわねぇ。」


そう言って


圭子おばあちゃんは遠い目をして笑った____。

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る